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2話 かほ ページ6

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先生から頂いた真新しい鍵を鍵穴に差し込み、捻る。

僅かな抵抗の後、滑るように音を立てて鍵が開いた。



たかが学生の寮になぜ鍵が…とも思ったが、能力者は拐われる事も多いと聞く。
実際、過去に内側に裏切り者がいて、その子のいた階層の子全員が連れ攫われたことがあったらしいのだ。

内側に裏切り者がいるなら、鍵があっても開けるんじゃないの…とも思ったけれど、せめてもの苦肉の策なんだろう。


重ためのドアを開ける。流石国からの支援ありの私立。音もなく開いた。








これから何の問題も無ければ、3年間過ごすであろう私達の部屋は、寮とは思えないほど広かった。

ソファの置かれたリビングらしきもの。アンティーク調なのか、暖かい色合いが目に優しい。

床はごつごつとした深い茶の木。靴下越しだが、ささくれもなく実に滑らかだ。


部屋に足を踏み入ると、もう既に荷物が置かれているのが見えた。

黒いスーツケースに、同じく黒と赤のリュックサック。

空「え?部屋間違えた?」

「いや、鍵開いたじゃん」

空「確かに…」

ふゆ「え、いや、もう1人の『松野かほ』って人のでしょ」

「「あっ……」」

ふゆ「え?」

沈黙が流れる

「「確かにぃ!!」」

ふゆ「気づかなかったの?おばか。オーバーリアクションだねえ。」


何気に馬鹿にされた後、チャイムが微かに聞こえた。

また3人は黙る。

あれ?これ遅刻じゃね?と、Aの寝ぼけた脳みそがそう結論を出す頃にはふゆが動き出していた。

「おら早く行くよ2人とも。」

その言葉でやっと空も脳みそが追いついたのか、3人でドタバタと寮母の見送りに手を振りつつ、本校に向かった。

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松野かほ(プロフ) - 暇人。さん» かほ、ふゆ編ですから今…wこれが終わった後夢ちゃん、空編に入りますねっ!ドヤァ← (2019年1月17日 20時) (レス) id: 45fd1e6358 (このIDを非表示/違反報告)
暇人。 - アンチってわけじゃないんですけど…かほちゃんがこのお話の中心なんですかね、夢主ちゃんがそこまででて居ないような… (2019年1月17日 17時) (レス) id: feb7c5f816 (このIDを非表示/違反報告)
松野かほ(プロフ) - 麗さん» 本当にありがとうコメント…そんなとこも好きです(え?) (2018年12月31日 21時) (レス) id: 45fd1e6358 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 今までコメントしてなかったけど気持ちを押さえきれなくなった…好きです(唐突) (2018年12月31日 21時) (レス) id: e247ad04ea (このIDを非表示/違反報告)
松野かほ(プロフ) - マキ*[zm.syp.tn.推し][そらなー.坂田家]さん» お、おぉ………ありがとう(?)コメントもありがとうm(_ _)m (2018年12月31日 17時) (レス) id: 45fd1e6358 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:松野かほ&空&白鼬 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年11月24日 2時

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