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ふゆside
大好きな姉が遠くに行ってしまう。
とても悲しくて、沢山泣いて。お姉ちゃんを困らせてしまう
こんな筈じゃない。笑顔で見送りたい。そう思うのに涙が止まらない。
これは強制だから。私も行きたくない、と姉は言うがそれでも涙は溢れて止まらない
お姉ちゃんはラピスラズリとクリソプレーズで精密に作られたペンダントを渡し、私に言った
「笑って?私は冬の笑った顔が大好きなんだから。」
この世界で唯一私を愛してくれた大好きな姉に、私は精一杯の笑顔を向けた。
「桜が…綺麗ですね」
『暖かいです。』
姉は宝石学園で起こったことを何度も手紙で書いて送ってくれた。
私も来年その学園に行く。
初めて姉と同じ学校に行くのでとても楽しみにしていた。
.
そんな時、姉が死んだ。
自決と言われてる
姉の葬式を影からそっと見ていた。
姉の葬式を、死に目を見れないことが辛くて悲しくてやるせなかった
-笑って?私は冬の笑った顔が大好きなんだから。-
姉の最後の言葉が脳裏に浮かぶ。
泣いちゃダメ。泣いちゃダメ。泣いちゃダメ。
呪文のように唱え、手を血が滲むほど握りしめる
泣いちゃダメ。泣いちゃダメ。泣いちゃダメ。泣いちゃダメ。泣いちゃダメ。泣いちゃダメ。泣いちゃダメ。泣いちゃダメ。泣いちゃダメ。
心の何処かが壊れた音がした
虚ろになった頭で考える
姉は、あの強い姉は自決なんてしない。誰かが殺したはず。
でも誰が?
はっと目を見開く。
姉の手紙には間違えて混入したのだろう。
生徒会のことでの悩み事が書かれていた最後の文にはこう書かれていた
”生徒会の------が私を殺してしまう”
肝心の名前は消されていた
手紙を机の上に置いて、ゆらゆらと体を揺らし、はさみを取り出すと自分の長い髪に当てがう
”この髪は不吉の象徴。”
何度も父と母に言われた。
それでも髪を伸ばしていたのはお姉ちゃんがこの髪を好きだと言っていたからだ。
でもそのお姉ちゃんはもういない。
ザクっ
地面に散らばった私の憎々しい長くて白い髪
それらを見つめ、きっと最後になる冬の目から一粒の雫が溢れた
.
さよなら冬。こんにちはふゆ。
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桜が綺麗ですね…→いつかまたここで会いましょう
暖かいです…→あなたが傍にいてくれて幸せです
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松野かほ(プロフ) - 暇人。さん» かほ、ふゆ編ですから今…wこれが終わった後夢ちゃん、空編に入りますねっ!ドヤァ← (2019年1月17日 20時) (レス) id: 45fd1e6358 (このIDを非表示/違反報告)
暇人。 - アンチってわけじゃないんですけど…かほちゃんがこのお話の中心なんですかね、夢主ちゃんがそこまででて居ないような… (2019年1月17日 17時) (レス) id: feb7c5f816 (このIDを非表示/違反報告)
松野かほ(プロフ) - 麗さん» 本当にありがとうコメント…そんなとこも好きです(え?) (2018年12月31日 21時) (レス) id: 45fd1e6358 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 今までコメントしてなかったけど気持ちを押さえきれなくなった…好きです(唐突) (2018年12月31日 21時) (レス) id: e247ad04ea (このIDを非表示/違反報告)
松野かほ(プロフ) - マキ*[zm.syp.tn.推し][そらなー.坂田家]さん» お、おぉ………ありがとう(?)コメントもありがとうm(_ _)m (2018年12月31日 17時) (レス) id: 45fd1e6358 (このIDを非表示/違反報告)
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