6話 白 ページ11
Aside
……なんだこれ。
え?え?と、困惑しつつ教科書とパソコンとノートを見比べる。
なんだこれ。
嘘だろなんでこんなに進んでんの。一応って進めていたところなんだけど。高一がやる範囲じゃないんだけど。
急いで倒し気味にしていたリクライニングシートを直角にし、個人用エアコンの温度を2度ほど下げた。
慌てて隣を見ると、やけに熱心にノートを書いているふゆが。
こっそり身を乗り出して中身を見ると、私と同じように幾何をしているものの、私よりも遥かに進んでいた。
そうだこいつ、頭おかしいんだった。
数学狂なんだった。
邪魔しないようにしよう。と、心に決めつつやけに静かな隣を見ると、リクライニングシートをかなりの角度まで倒し、ブランケットを掛けて熟睡してる人がいた。
頭を突っ込んでみると、むせかえりそうなほど温度が高い。
しょーがない。真面目に勉強しよう。
再度前を向き、明らかに高校生レベルじゃない問題をノートに解き始める。
〜昼食時〜
今私たちは購買の長蛇の列に並んでいる。
Sクラス専用でどっかの有名なシェフが一日一日凝ったご飯を作ってくれるらしいけど、私は購買のおばちゃんが好きなので多分ここを使い続ける。
そして私は焼きそばを、 ふゆはサンドイッチを、空は牛丼を、かほはおにぎりを購入し、先生から鍵をもらって屋上で食べ始める。
かほと私は教室のあのいたれつくせりの状態で食べたかったのだけど、ふゆと空が強行突破したのだ。
しばらく談笑をしながら最後の一欠片を牛乳で押し流す。
「空、朝ラーメンじゃなかった?」
「ふ?うん。」
当然のような顔をして頷く空に、私の常識がおかしいのかと頭を抱える。
そんなたわいもない話を約10分くらい続けてそれまで黙っていたAが遠慮がちに口を開く。
「会って一日目でごめん。」
でも早いうちに言わないと、多分どんどんこっちから本心を隠すのが上手くなる気がするんだ。
こういう子は、仲良くなったらこっちの性格を熟知して、どんどん心を偽るのが上手くなるタイプだと思う。
同室でこのもやもやを抱えたまま接するのは正直しんどい。ので、今言う。
「俺のことやろ?言う気はせぇへんけど。」
からからと笑うかほ。
「かほ、人間不信は別にどうでもいいんだけど、腹に一物抱えてんのも別にいいんだけど、一方的にこっちを信用しないで敵視すんのやめてくれない?」
と、ふゆが言った。
居心地が悪そうに端正な眉を顰めつつ、そう言う。
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松野かほ(プロフ) - 暇人。さん» かほ、ふゆ編ですから今…wこれが終わった後夢ちゃん、空編に入りますねっ!ドヤァ← (2019年1月17日 20時) (レス) id: 45fd1e6358 (このIDを非表示/違反報告)
暇人。 - アンチってわけじゃないんですけど…かほちゃんがこのお話の中心なんですかね、夢主ちゃんがそこまででて居ないような… (2019年1月17日 17時) (レス) id: feb7c5f816 (このIDを非表示/違反報告)
松野かほ(プロフ) - 麗さん» 本当にありがとうコメント…そんなとこも好きです(え?) (2018年12月31日 21時) (レス) id: 45fd1e6358 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 今までコメントしてなかったけど気持ちを押さえきれなくなった…好きです(唐突) (2018年12月31日 21時) (レス) id: e247ad04ea (このIDを非表示/違反報告)
松野かほ(プロフ) - マキ*[zm.syp.tn.推し][そらなー.坂田家]さん» お、おぉ………ありがとう(?)コメントもありがとうm(_ _)m (2018年12月31日 17時) (レス) id: 45fd1e6358 (このIDを非表示/違反報告)
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