いちごオレ9 ページ10
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「…い。お…。おーい…おーいっ」
「っ…はぁっ!?おっおそ松く…さん…」
「何で気づかねーんだよ。」
びっビックリした…
目の前の広告を見すぎて、呼んでいるのに気づかなかった…
おそ松くんに呼ばれているのに気付かないなんて…一生の不覚…
おそ松くんは、私のせいで少しご機嫌斜めだ。
ごめんなさい…と謝ると、おそ松くんは右の口端を少し上にして
眉を潜めた。ご機嫌がまた斜めに上がった。
「うぅ…えっえっと、…」
「ったく、気を付けろよー」
「あっ、わかりました…」
あれ?さっきまで、不機嫌な声質だったのに
急に1オクターブ上がったおそ松くんの声。
どうしたんだろう…
私は疑問を持った。だけどおそ松くんはそんな事には興味がないようで、
赤と黒のキャップを深く被って、
クルリと私に背を向けた。
やっぱり怒ってる…
肝をハラハラとさせて、私はおそ松くんの後ろについていく。
好感度また下がっちゃったな…
無理して明るい色の服を着たものの、その明るい色が汚く見える
まだ、背伸びするにも早かったか…
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「あのさ。オレ、そんなに怒ってないから。ちょっと疲れてるだけだし。
そんなに分かりやすく凹まれたら、こっちも反応結構困るんだけど。」
頭の後ろで組まれた、手の腕の隙間からおそ松くんの綺麗な瞳が光る。
私は、呆気にとられておそ松くんの目をよく見てみると
目下には小さな薄い隈ができていた。
もしかして、昨日夜遅くまで仕事があったのかな…?
「そっそうなんですか…!あの、ごめんなさい。」
私は頭を下げると、おそ松くんはめんどくさそうに
「そーいうことー」と言って、また私に背を向けた、
疲れた…だけ…か…
だったら足手まといにならないように頑張らなくちゃ。
履きなれない、ヒールの高い靴を履いて
おそ松くんの隣に並ぶと、
ふわぁと小さくおそ松くんは欠伸をした。
そのあくびはホントに小さくて、なにかを隠しているような感じがする。
相当お疲れなんだ。
俳優さんも大変なんだな…
そう思うとまたおそ松くんは小さく欠伸をした。
そして、目尻に涙を溜めたままあっと言う声を出して
私の方を振り向く。
「今から、俺ん家行くから。」
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MERORON - うへあさん» ご指摘ありがとうございます。脱字が多くて…。修正いたしました。 (2019年1月22日 23時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
MERORON - どりーさん» レス遅くてごめんなさい!そろそろ頑張って、完結させようと思っています。最後までよろしくお願いします! (2019年1月22日 23時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
うへあ - 16は、関節キスじゃなくて間接キスだと思います (2018年12月3日 21時) (レス) id: d83e57132d (このIDを非表示/違反報告)
どりー(プロフ) - あぁぁああ!!!コレ神作過ぎませんか!?キュンキュンが止まらないです!!! (2018年7月10日 19時) (レス) id: f196981f30 (このIDを非表示/違反報告)
MERORON - おそ松がーるさん» いやいや、こちらこそ!お召し上がりありがとうございます( ̄ー ̄ゞ−☆ (2018年5月15日 14時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:MERORON | 作成日時:2018年3月13日 21時