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いちごオレ43 ページ46

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「おっおはよぉう…」


喉に声が詰まったけど、なんとか挨拶が出来た。

やっぱり慣れないやこの感じ。


私が震える手を自然と(不自然に)あげると

おそ松くんは、ヒョイッと軽く手をあげて合図をしてくれた。


午前10時。

ありきたりの時間に予定を設定した私たちは駅前の噴水で待ち合わせ。

少し早めに待ち合わせ場所に行くと、遅れそうなおそ松くんは

優雅に腰を花壇に下ろしていた。


黒渕の眼鏡からくりくりなお目めが、無気力に光っていて表情は涼しげ。

だけど、マスクをしているから涼しげな表情なのに、暑そうに感じた。


おそ松くんは、私が来たのを目視で確認すると

腰をかけていた駅前の花壇から立ち上がった。


スマホの電源を切る素振りをして、スマホをポケットに突っ込むと

私の隣へと少し距離を置いて、肩を並べた。


「暑くないんですか。」


私が不意に聞くと、おそ松くんは、目を細めて


「暑いわ。ばーか。」


と、からかいながらマスクの下から唇を尖らしたような気がした。


意外にも始めは順調。

その発言を私もジョークだと受け取り、一つ笑みをつくった。


「今日は何処に行くんですか?」


隣に来たおそ松くんの顔を見上げて、問う。

特におそ松くんの表情は変わらず


「てきとーに、モールでも行こっかなって思ってたけど。」


モールっていうところが、私と少し距離がある感じ。

「楽しみですね。」とか「おぉ…!?」とか言えれば良かったんだけど

私ったらなんにも出てこなくて、

「そうなんですか。」としか返答することが出来なかった。


今更頭の中から浮かび上がってくる何て、遅すぎ。


それに、それ以上以上なんにも話すことがなかったから、

間を開けて世間話。


新しく始まる映画とか、ドラマとか。


やはり演技派俳優。上記の事については結構詳しかった。


出演する俳優さんの魅力とか、注目ポイントとか

淡々と教えてくれる横顔はいかにもできる男だ。


彼の彼女の役だなんて、私はどんなに幸せ者だろう。

淡々と喋っているつもりだけども、目尻が緩んでいるおそ松くんを見て

私も顔が綻んだ。


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設定タグ:おそ松さん , 松野おそ松 , 学生松   
作品ジャンル:恋愛
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MERORON - うへあさん» ご指摘ありがとうございます。脱字が多くて…。修正いたしました。 (2019年1月22日 23時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
MERORON - どりーさん» レス遅くてごめんなさい!そろそろ頑張って、完結させようと思っています。最後までよろしくお願いします! (2019年1月22日 23時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
うへあ - 16は、関節キスじゃなくて間接キスだと思います (2018年12月3日 21時) (レス) id: d83e57132d (このIDを非表示/違反報告)
どりー(プロフ) - あぁぁああ!!!コレ神作過ぎませんか!?キュンキュンが止まらないです!!! (2018年7月10日 19時) (レス) id: f196981f30 (このIDを非表示/違反報告)
MERORON - おそ松がーるさん» いやいや、こちらこそ!お召し上がりありがとうございます( ̄ー ̄ゞ−☆ (2018年5月15日 14時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:MERORON | 作成日時:2018年3月13日 21時

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