松田さんと黒の少女２

年末詣 ページ2

はい、朱莉です。道行く人たちの視線が痛いです。

「松田さん、そろそろ下ろしてくれませんか…？」わたしがそう言うと、

「なんでだ？」と立ち止まった松田さんは聞き返してくる。

「は、恥ずかしいからです…。」とわたしは返した。

「了解。」松田さんはそう言うと、再び歩き出す。

何が了解なんですか…。とわたしは思わず呟いた。

というか、松田さんの腰が心配なんだけど…。大丈夫なのかな…。



ただ今車に乗ってます。あのあと、駐車場までお姫さま抱っこでした。

ちらりと横を見る。車を運転している松田さん…カッコいい。

それにしても、一体どこに行くんだろう。全然見当もつかないや…。

「なあ。」と声をかけてくる松田さんに、

「はい？」とわたしは返す。

「どっか行きてー場所あるか？」と松田さんは言った。決めてなかったんかい！

「う、うーん、そうですね…」

「あ！山泥(さんでい)神社に行きたいです。少し早いですけど、年末詣(ねんまつもうで)としてどうですか？」

わたしがそう言うと、松田さんは意外そうな顔をしながらもOKしてくれた。

「俺より年下なのに、朱莉はちゃんとしてるなぁ…。」と松田さんは、感心したように呟く。

それを聞いてわたしは納得した。だから、さっきあんな顔してたんだね。

ていうか、さっきまでクリスマスパーティーしてたんだよね、わたしたち……。

まあ、いいか。クリスマスイブも当日も、色々忙しくてそれどころじゃなかったし、年末に立て込んじゃったのはしょうがない。

24日じゃなくても、今日楽しめたからいいんだ……。

そう思って、わたしは窓の外に視線を移す。

少し早いけど、今年はありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします。

そう願いを込めて……。


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皆さまお久しぶりです、作者のしらす。です！またまた季節外れな話になってしまいました(苦笑)

次の話はそんなことも気にならないくらい甘々にさせる予定なので、ご期待下さい笑笑

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