つめたいフリの裏側は [赤]

#16 ページ16

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終礼で連絡をする。









「今日も、綱引きの練習あります！」


「言いにきてくれた人以外は、きてください！」











その言葉にも、藤井くんは、



興味なさげに机に伏せているだけ。



教卓から見えるのは、恐ろしく整った横顔。













男子から言われた方がまだ私が言うよりマシかな、



と思って小瀧くん、神ちゃん、しげおかにも言ってみたけど。















「えー、藤井？話したことないなぁ」


「ごめんなぁ、俺もあいつはよう分からんねん」


「自分でやれよ、んなもん」


「チーフやろ？」













三者三様に、でもはっきりと断られた。



いるよね、女子でも、なんとなく孤立してる子。














藤井くんも、男子の中でそういうポジションなのかな。



でもだからといって、特別扱いはできない。



帰ろうとしている藤井くんを、理科室の前で捕まえた。













「ねえ、藤井くん！」


「なに」
















無愛想に振り返った顔には、明らかに私への嫌悪感。



綺麗な顔と高い身長に、思わず怯むけど。















「綱引き、練習、きてください」


「なんで」


「なんでって...」


「授業やないやん、やったら行かんくてもええんやろ？」
















そう言い捨てて、すたすたと去っていく。



...困った。

















1人だけこないとなれば、真面目にきている人たちに申し訳ない。



なんとか、彼に来てもらう方法はないものか。
















次の日も、次の日も。













「みんな勝ちたいって、がんばってるんです」


「お願いだから、出てください」



















帰る藤井くんを捕まえて説得を続けたけど、



あえなく断られて、帰られてしまうばかりだった。














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