つめたいフリの裏側は [赤]

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春風が吹き、ひだまりがぽかぽかと暖かい季節。


















窓の外では桜の花びらがひらひらと舞い、



ちょうちょが飛び回るころ。



私たちは高2に進級した。

















校長の話が長い始業式と、



ホームルームとは名ばかりの自己紹介タイムがやっと終わり、



担任が適当な解散を告げる。





















まだクラスが馴染んでいないせいか、



どこかぎこちない空気が流れる教室の前方では、



派手めの男子たちが「カラオケ行こーぜ！」と騒ぎ始めた。

















...さっさと帰って、近所の公園の猫たちに会いに行こう。



そそくさと教室を出ようとした私の鞄が、



誰かの手によってぐいっと引っ張られた。





















「...未沙......」


「ね、カラオケ誘われたんだけどあんたも行くでしょ」


「いかな...」


「ねーAも行くって！」


「はぁ！？っちょ、行かないから！」


「これを機に男子と仲良くなるの！！」


「大丈夫、いるだけでいいんだから！」


















私とは正反対のタイプの未沙。



絶対に一緒にはいないタイプのはずなのに、



なぜだか気が合い、中学校の頃から一緒にいる。


















気が強くて派手な未沙にぐいぐい引っ張られて、



巻き込まれた面倒ごとは数え切れないほど。

















でも、未沙の言うことに私はなぜか逆らえない。
















...だから、



「ほな行くで！！」



結局カラオケに行く勢について教室を出る。



















先頭には小瀧という金髪の男子。



かっこいいしスタイルもいい、けど...



派手だな、一生分かり合えそうもない。

















未沙はちゃっかり小瀧くんロックオン。



やっぱり、1人だ...













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