つめたいフリの裏側は [赤]

#22 ページ22

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いよいよ、体育祭を明日に控えた日。











実行委員の横断幕は無事に完成し、



あとはもう、明日の朝広げるだけ。












そして、綱引きの最後の練習。



藤井君はあれから毎回練習にくるようになって、



チームの団結もいい感じになっている。












練習の最後には、となりのクラスの手芸が得意な子が、



全員分のミサンガを配ってくれたりもして。



綱引きも実行委員も、頑張って来てよかった。













あとは、明日頑張ればいいだけだ。













今日も、帰るのはやはりあの5人、



最後にはしげおかと2人になる。












いつもの通り、静かな2人の間。



言葉も交わされなければ、目線も合わない。



電車を降り、改札をくぐる。













いつもの通り、わたしのマンションにつく。



いつもなら、しげおかは早足で私を置いてそのまま歩いて行く。












でも、今日は違った。



急に立ち止まるから、すぐ後ろを歩いていたわたしはぶつかりそうになる。



立ち止まったまま動かないから、



「...どうしたの？」



声をかけた。
















「...なんでもない。帰る」



また小声で言って、去って行く。



どうしたんだろう、今日のしげおか、何が変だ。













綱引きの練習のときも、冷たくだけど、



「手伝ってやってもええけど」なんて声かけて来たりして。













家に帰って、これまたびっくり。



小瀧、未沙、神ちゃんの「頑張ろうね！」というメッセージといっしょに、



珍しく、ほんとうに珍しく、しげおかからメッセージが入っていた。















「明日、頑張らんと承知せんから」



おかしくて思わず笑ってしまう。



さっき、これを言いたかったのかな、もしかして。















明日、このメッセージで頑張れる気がした。














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