7話 ページ7
Purple Side
大介から康二の目が覚めたと連絡が入った時事務所にいるにもかかわらず良かったと大きな声を上げた。
そのままいてもたってもいられず早上がりにさせてもらい家に急ぐ。
家に着いて手をきちんと洗い和室の扉を開くと座る大介の前に座る康二
康二は微かに震えているものの大介の前から動く様子はなかった。
｢ただいま、康二？｣
｢おかえり辰にぃ、康二、辰哉兄さんだよ｣
大介に促されてこちらを伺うように見てくる康二
｢……ご、め、さい……｣
途端に瞳がうるうるし出し、謝りだした。
｢え、ど、どうしたの？謝られることされてないよ？｣
康二の前に座って涙を拭おうと顔に手を伸ばす、
でも、その手は届く前に
｢……ぃゃ……ｯｯ｣
頭を抱え込んだ康二によって止められた。
｢辰にぃ、康二のことなんだけど…｣
康二が頭を抱え込んで震えたまま動かなくなり、大介が俺の方に向かって歩いてくる
耳元で大介が喋る
多分康二に聞こえないように
｢康二、虐 待の跡がある。あと、親にちゃんと育てられなかった影響だと思うんだけど、栄養失調と酷く怯えるのも｣
｢虐待？｣
｢うん、ご飯貰えてないのと、手を挙げられてるのかはまだ分かんないんだけど…謝ったり震えたりするのは康二の行動で何かしらされてたからだと思うんだよね｣
｢どうしたら安心させれる？｣
｢こればっかりは時間かな、なるべく康二のそばにいて優しく、大丈夫だよ、ここは安心だよって伝えていくしかない｣
カウンセラーなだけあって康二の様子を的確に分析している
俺には何ができるだろうか
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作者名：暁紫 | 作成日時：2021年3月7日 0時
