雪降る街の訳あり家族【橙】 (ページ2)

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2話ページ2

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【過去】

俺が康二に出会ったのは雪が降る寒い日だった。

俺を長男として7人の弟が家で待ってる

そんな思いから少し早足になる俺の目の前に現れたんだ

｢君、ここで何してるの？｣

今の季節には相応しくない薄っぺらい服を着て

食事も十分にしてないのか見える手首や足首は異様に細い

髪もバサバサで一応切ってはあるものの見れたものじゃない

そんな彼に声をかけないなんて俺にはできなかった

｢っ！｣

話しかけても手元に持っている小さな紙を握りしめ俺に敵意むき出しのまま近づいた距離だけ後ろに下がる

｢怖くないよ｣

俺はこんな彼をらどうしても助けたくなった

このままじゃ喋ることも出来ない

その場にしゃがんで手を広げる

彼が自分から来るまで待つために

｢大丈夫、絶対助けるから｣

ひたすら声をかけ続けた

バイブにしている携帯が震えているけど、そんなのかまっていられない

数十分、1時間たっただろうか手先の感覚が無くなるほど寒い

どうしようかと考えていた時

ｻﾞｯ

彼の足がこちらに向かって少し進んだ

俺が驚いている間に少しずつ進んで俺の目の前まで来た時

手のひらをその細くて冷たい両手で包まれた

彼は瞳に涙をいっぱいに溜めて唇を噛みながら俺の顔を覗いている

｢大丈夫、大丈夫だよ｣

俺が声をかければ彼がくたっと力が抜けたように俺の胸の中に飛び込んできた。

耳に届くのは荒い息遣い。

携帯が震えている、

ﾋﾟｯ

｢照、ごめん車出せる？｣