目が覚めたら私の恋人は赤井秀一でした3【名探偵コナン】 (ページ25)

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home bitter home3 ページ25

それにしても、昴さんは本当に人気者だ。

ほんの30分のうちに、何人もの人から声をかけられる。私だったらとても落ち着いて食事なんてできない気がするけれど、昴さんは特に気にする風もない。

「ねえ、研究室の先生が呼んでいるんだから顔を出した方がいいんじゃない？」

食器を片付けた私がそういうと、昴さんはいいえ、といった。

「今日じゃなくても構いませんよ。
　それに、罠(トラップ)かもしれませんし」

さらりと何か物騒なことをいう。こんな平穏そうな大学に罠なんてある？誰が何のために仕掛けているというのかしら？

「それよりも、Aさんのご自宅に招待していただいてもよろしいですか？」

「――ええ」

私は頷く。

昴さんは何度も後ろを振り向きながら――あるいは、ミラーなどで周辺を確認しつつ――慎重に歩く。

私はあえて回り道をしながら、杯戸町にある2DKのマンションに昴さんを招待した。

受付に管理人のいる、セキュリティがしっかりしたマンションだ。
とはいえ、数か月間留守にしていたので私の家に関して言えば、今はとても埃っぽい。

恋人を初めて招き入れる家としては合格点とは言えないだろう。

自分名義の銀行口座が持てない私は、基本的に現金を使って暮らしていた。そのため、多くの現金を手元に置いている。
だからあまり、家に人を呼びたくはないのだ。