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kitty―赤井side― ページ16
Aは興味深そうに俺の話に耳を傾けながらも、出会った頃の子猫のように、距離を置いてこちらの様子をうかがっている。
ダイニングテーブルを挟んだ距離感を、急に詰めてしまったら驚いて逃げだすかもしれない。
グラスが空になったのを見て手を伸ばして取り、立ち上がった。
彼女はびくっと震え――そのことに自分でも驚いたのか、さらさらの髪をかきあげた。
「すっかり遅くなってしまった。
グラスは洗っておく。
俺はもう少し確認したいことがあるから――先に休むといい」
――何もしないから安心しておやすみ、と、言外に伝えてみる。
「わかった」
Aは立ち上がるとぎゅっと俺の腕を掴む。
そっと体を屈めるとほんの一瞬、頬にキスして
「おやすみ」
と踵を返すと逃げるように部屋から出ていく。
――警戒心の強い子猫ちゃん(Kitty)のためにはやはり、沖矢昴でいた方が、良いのかもしれない――
タバコに火をつけながら、ふと、そんなことを思っていた。
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作者名:まつり | 作成日時:2022年5月25日 13時