恋人の愛はちょっと重たい1【名探偵コナン/愛され/逆ハー】

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「そういえば、ヘリの中に風見を待たせているんだけどこれ以上キスを見せつけても平気？」

何をしても泣き止まない私の耳元で零がそんなことを言うから、私はようやく我に返った。

「だ……だめ。よくない」

でももう、手遅れな気もする。ヘリが煩くて声が届かないであろうことだけが救いだ。

「よし、じゃあ行こう。赤井の車は赤のスバル360だろ？」

「そうだけど……でも、今日それに乗っていたかどうかはわかんない」

あえて目立つ車で印象付けておいて、普段の移動にはもっと一般的な目立たない車両を使うのはよくあることだ。

ハンカチで涙を拭いた私は、零と話をしながら、零に誘われるままヘリコプターに乗り込む。

風見さんはあえて違う方向を見ていてくれたけど――、まあでも見られてないはずもないよね。気をつかわせてすみません。

「都内の事故情報、こちらにまとめておきました」

と、風見さんは零にノートPCを渡す。

「事故を起こした車って、全部比較的新しい車種でしたよね？」

私が確信をもってそう言うと、風見さんは目を丸くして――零が

「君は何か知っているのか？」と、驚いたように聞いた。

「昨日、うちの会社の子の炊飯器が爆発したんだって。周りには被害がない程度の小さな爆発。

　で、他の子がよくネットで話題になっているって言うから――。

　ちょっと気になって調べてみたら、ネットニュースになるほどじゃないんだけど、SNS上では一昨日くらいから都内でIoT家電が暴走している傾向がみられたの。昼休みの短時間に得た情報だからまだそんなに数はそろってないけど、一覧にまとめているから確認する？

　これ、それぞれの家電のメーカーが違うから見落とされがちだけど、どれも家電のIT機能にとある会社のものが使われているという共通点があってね。それ、一部のカーナビにも使われているの――。だから、もしかしたら関連性があるかもって」

「IoTテロ！？」

風見さんと零の声がかぶる。

「君がまとめた資料は僕が言い値で買い取ろう」

「もういやって言うほど美味しいデザートが食べたい、安室さんが作りそうなやつね」

「そんなのでいいのか？」

「――私より先に死なないで」

「善処しよう」

こほん、と、風見さんの控えめな咳払いに我に返る。
これ以上イチャついていたら、風見さんが怒りそうな気配を感じ取ったので私は素直にデータを送った。

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