35グラム ページ40
私は事前に作成して置いた資料に素超す手を加え、社内にいた優秀な営業さんにプレゼン資料を見せて修正点を聞き出す。
いやー、営業担当者捕まえられて良かった。
終わったのは15時過ぎだった。私はジョディに電話をかける。
「今日、シュウが突然出て行ったの知ってる?何があったの?すごく気になるんだけど」
「ちょっとね、本国から気になる情報が入ったからシュウは調査に出かけただけよ。例の組織とは関係ないから、公安を巻き込むわけにはいかないってだけ。
日本に居るっていうだけで便利に使われて嫌になっちゃう。足取り調べて本国に報告するだけだから、シュウにとっては多分、なんてことない簡単な仕事。
詳しい話、できなくてごめんね」
聞き出す前に牽制されてしまった。
――まぁそれはそうか。
「ううん。聞かせてくれてありがとう。ごめんね、忙しいのに」
と、電話を切る。
ワシントンD.C.は今深夜1時過ぎ。さすがに電話をかけるのは躊躇われる時間だ。かけたところで、私に情報が得られるはずもない。
私は手持ちの情報をアップデートすべく社内をまわった。商品開発部のエースに出会えたので、「対キッド製品の開発に興味あります?」と持ち掛けて、自社が今後手掛けたいセキュリティ系商品の方向を確認したり、営業部から数字では見えないリアルな顧客の反応を聞いたりとやることは豊富にあった。
あっという間に定時間際だ。
明日、鈴木財閥の関係者との打ち合わせの資料をそろえる。やっぱりちょっと緊張するよね――。
零から電話がかかってきた。
「どうしたの?」
「ごめん――。今夜、帰れそうになくて」
「別にいいわよ、子供じゃないんだから」
「ちっともよくない。毛利探偵に頼んだらすぐに君を迎えに行くと言ってくれたから、話を合わせて」
「は?」
「君に危険が迫っているから、ボディガードの依頼をしてある。差し迫った事件もなさそうだったしすぐに引き受けてくれた。ああ、依頼料はもう振り込んであるから気にしないで」
「嘘つかないで!」何平然と嘘ついてるの!
「君を一人にするのは、十分危険だろ? 君の安全が確認できないと僕も仕事に手中出来ない。なるべく早くかたをつけて帰宅するからそれまでしばらくお世話になってて――ああ、風見、すぐに行く。じゃあ」
と、一方的に電話が切れてしまった。
――過保護にもほどがある。
271人がお気に入り
「名探偵コナン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まつり(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます!前回のキッドの時とはまた違うパターンでってイメージでしょうか。承りました。 (2023年1月30日 6時) (レス) id: 6a01f04095 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 続編おめでとうございます、!この話大好きすぎてやばいです。リクエストは、ヒロインが赤井さんと降谷さん以外の男性と親しげに話していてそれにすごーく嫉妬で狂う姿が見たいです、、! (2023年1月30日 2時) (レス) @page11 id: d7cfe12389 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - 星良さん» こちらこそ、応援ありがとうございます。リクエストありがとうございますー!いいですね。私も見たい!是非書きたいと思います✨ありがとうございます。 (2023年1月29日 17時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
星良(プロフ) - 続編おめでとうございます!! 今回も楽しく読ませていただいています✊ リクエストなのですが、、、蘇芳ちゃんが嫉妬?しているところがみたいです💦 (2023年1月29日 17時) (レス) id: 4e794d85df (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - やっちさん» やっちさん、こちらこそ、続きまで読んでもらってありがとうございますー!引き続き、よろしくお願いします。 (2023年1月28日 20時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まつり | 作成日時:2023年1月28日 15時