天空の難破船（前日譚） ページ32
「やーっとおねーさんにあえたー！！」
身支度を整えて沖矢昴になったシュウと一緒に工藤邸に行くと、キッド君が子供のように飛び跳ねて喜んでくれた。
あ、彼はまだ子供だった。
子犬のように私にまとわりつこうとするキッド君に対し、昴さんは昴さんで大人げなく私を抱きしめるからもはや、どっちもどっち感があるし私はモノではない。
でも、昴さんに余計な事を言うとなんかとんでもないことを暴露されそうなので、私は黙っておくしかない。
「ちょっと、『やっと』ってどういうこと？ 昴さんと君はしょっちゅうあってるってこと？」
人目があるところでは本名は呼ばない約束だ。
カイト君、ショウ君――なんて呼ぼうか逡巡して――何も言わずに言葉を切る。
「それが、最近全然ここに居なくて困ってるんだ。夏休みの間は結構あってくれたんだけどな」
工藤邸、こんなに留守にするなんて不用心すぎるよ？ と、キッド君は唇を尖らせる。
「キッドキラーの実家と知っておいて何度も足を運ぶ君の方が、よほど不用心だと思いますよ」
ほら、そこの椅子に座って？ と、昴さんはキッド君を椅子に座らせた。
「なんだよー！オレはこんなに昴さんに協力してるのに、全然おねーさんのことわけてくれないのずるい」
「私は食べ物とかじゃないんだから、勝手にシェアしようとしないでちょうだい。それから、昴さん。キッド君の下心を利用するのはやめてあげて？」
「最初から、Aさんのことはシェアするつもりはないと伝えています。勝手に協力してくるのを拒むほど大人げなくはないですよ」と、微笑むのはどうかと思う。
もはやその態度を大人げないっていうんです！
「このままじゃ、キッド君はずっと仕事できないってこと？」
「逆ですね。ずっと仕事をしない――あるいは、命がけで仕事をする。その二択を選択してもらうしかない、といったところでしょうか」
「そういうの、未成年に頼んでいいことじゃないわね」
と、私が昴さんに言えば
「おねーさん、やっぱりオレの味方だよね？」とキッド君が笑顔になるので、ちっとも話が進まない。
「だからといって、FBIが全面的に怪盗のバックアップなんてできるわけもないでしょう？」
まあ、それはそうだよね。
「キッド君は何しに来たの？」
「それはもちろん、お姉さんが察しているように仕事の相談。次郎吉氏から挑戦状を受けちゃって♡」と、上機嫌だ。
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まつり(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます！前回のキッドの時とはまた違うパターンでってイメージでしょうか。承りました。 (2023年1月30日 6時) (
レス) id: 6a01f04095 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 続編おめでとうございます、！この話大好きすぎてやばいです。リクエストは、ヒロインが赤井さんと降谷さん以外の男性と親しげに話していてそれにすごーく嫉妬で狂う姿が見たいです、、！ (2023年1月30日 2時) (レス) @page11 id: d7cfe12389 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - 星良さん» こちらこそ、応援ありがとうございます。リクエストありがとうございますー！いいですね。私も見たい！是非書きたいと思います✨ありがとうございます。 (2023年1月29日 17時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
星良(プロフ) - 続編おめでとうございます！！ 今回も楽しく読ませていただいています✊ リクエストなのですが、、、蘇芳ちゃんが嫉妬？しているところがみたいです💦 (2023年1月29日 17時) (レス) id: 4e794d85df (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - やっちさん» やっちさん、こちらこそ、続きまで読んでもらってありがとうございますー！引き続き、よろしくお願いします。 (2023年1月28日 20時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつり
| 作成日時：2023年1月28日 15時
