休日デート ページ21
降谷零はどこにいても絵になるし、どこにいても人の注目を浴びる。
存在感ありすぎるルックスだもんね。そして、彼はどこにいてもその場に馴染むのがとても得意だ。
楽しそうに動物についてうんちくをかたる彼からは、公安で部下を叱り飛ばしながら仕事をしている様子などとても想像できなかった。
唐突にヘリコプターとばしてやってくるような無茶をする人にもとても見えないし、人には口外できないようなブラックな組織に所属しているなんて思えない。
私はパンダよりも注目を浴びていそうな、隣の彼を見上げた。
すぐに視線が合って、優しい瞳で微笑み返してくれるから、やっぱり嬉しくて心臓が跳ねる。
「A、次は何が見たい?」
ことあるごとに私の手や腕を掴んできて、今日の密着度はとても高かった。
昨夜のことをものすごく反省しているのか、頻繁に体調を気遣ってくれる。
「何にしようかな。零は?」
――って聞いても、零は私しか見ていないのであんまり動物は関係ないと思う。
案の定「楽しそうなAが見られればそれで十分」って返事がきた。
「あのね。もう大丈夫だから。月曜日からも今まで通り仕事してくれていいよ?」
「ああ、それに関してはいい案をゲットしたからもう心配しなくていい。君はずっと僕と一緒に居ればいい」
「え、やだ。零怖いもん」
「そんなことはないよ。僕は君が誤解を抱いたまま急に居なくなる方がずっと怖い」
――それは【怖い】の種類がだいぶ違いますけど。
「私、そんなに勝手に急に居なくなる?」イメージが悪すぎない?
「僕が何回君の【彼氏できたから、もううちに来ないでくださいね!】って報告と、【えっと……ああその人となら、もう別れたの。だってね……】って話を聞いたと思ってるんだ」
いや、それはもう恋人ができたから連絡もなしに突然うちにやってこなくていいって話をしただけだし――。
それで、その後私が1人になった頃にふらっとやってきて「あれ? 恋人は?」って聞いてくるからそれに対して応えただけで……。
なんか語弊のある言い方をするのはやめてくれないかしら。
「そういうことは、さっさと忘れて?」
記憶力が良すぎるのも考えものだわ。
「僕にとって君がどれだけ高嶺の花か知ってほしいだけだ」と、零はさらりと無茶なことを言う。
「だから、君が僕を想ってくれてるなんて考えてもなくて――本当に悪かった」形の良い、器用で大きな手が優しく私の頬を撫でる。
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まつり(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます!前回のキッドの時とはまた違うパターンでってイメージでしょうか。承りました。 (2023年1月30日 6時) (レス) id: 6a01f04095 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 続編おめでとうございます、!この話大好きすぎてやばいです。リクエストは、ヒロインが赤井さんと降谷さん以外の男性と親しげに話していてそれにすごーく嫉妬で狂う姿が見たいです、、! (2023年1月30日 2時) (レス) @page11 id: d7cfe12389 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - 星良さん» こちらこそ、応援ありがとうございます。リクエストありがとうございますー!いいですね。私も見たい!是非書きたいと思います✨ありがとうございます。 (2023年1月29日 17時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
星良(プロフ) - 続編おめでとうございます!! 今回も楽しく読ませていただいています✊ リクエストなのですが、、、蘇芳ちゃんが嫉妬?しているところがみたいです💦 (2023年1月29日 17時) (レス) id: 4e794d85df (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - やっちさん» やっちさん、こちらこそ、続きまで読んでもらってありがとうございますー!引き続き、よろしくお願いします。 (2023年1月28日 20時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まつり | 作成日時:2023年1月28日 15時