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キャンプの付き添い1 ページ49

コンビニでコーヒーとチョコレートを買い、少し混乱を沈めた後、私たちは阿笠邸へと戻った。

キャンプの準備をしていると、約束の時間よりずいぶん早く探偵団の3人がやってきた。

子どもって本当に元気だなー。

哀ちゃんは皆に「ミステリートレインのパスリングが届いたわよ」とオシャレな指輪を配って時間を稼いでくれた。

……っていうか、それはいったい何?

元太君が「そんなこともしらねーのかよ」という。

「うん、知らない。教えて?」と言えば、一瞬三人で顔を見合わせて肩をすくめた後、歩美ちゃんと光彦君が丁寧に教えてくれた。

ミステリートレインとは鈴木財閥が所有している最新鋭の豪華列車「ベルツリー急行」で……
と、話が始まった。


――財閥が列車を所有していて、線路を走行させることができるなんて知らなかったので、もはやそのあたりで私のキャパはいっぱいになる。鈴木財閥すごすぎる……。列車所有して、1年に1度の走行で元は取れるの?それとも、あくまでも広告宣伝の一環でしかなく、そんなところで稼ぐ必要などないということなのだろうか……。ビジネスの規模が違いすぎて、私には理解できなかった。

営業をかけてみたいけど、その結果キッド君を捕まえることになるのも嫌だし(セキュリティ面には私だってそれなりの自信がある)、悩ましいところだ。

鈴木財閥の規模は計り知れないのね。そりゃもう、キッドのために毎度毎度ビッグジュエルを準備するのは朝飯前なんだろうな……。

キッドはある意味、鈴木財閥の広告塔みたいなもんだよね。


「っていうか、そんなに何も知らなくてキャンプ場まで行けるんですか?」なんて、説明を終えた光彦君が聞いてくるから困る。

「ええ、最新情報は知らなくても、地図は読めるし運転もできるから大丈夫よ。
 ただ、私はキャンプ未経験者なので君たちが率先して教えてくれること!頼んだわよ、少年探偵団」とはっぱをかけておく。

なお、キャンプ未経験者というのは子供たちの士気を高めるための嘘ですよ、もちろん。
アウトドア好きな人と交流している時期に誘ってもらえれば断らずに行く程度には、何度か楽しんだことがあった。

ただ、自分で一から道具をそろえてキャンプを楽しんだことは一度もない――けどね。

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作者名:まつり | 作成日時:2022年11月8日 10時

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