ビッグジュエル2 ページ10
「とかなんとかいって、本当は怪盗キッドなんじゃないの?」
蘭さんは疑わしそうに新一君を見つめる。
「なんでそう疑うかな」
「そうよ、蘭? キッド様なわけないじゃない?
恋は盲目っていうけどいくらなんでも……」
園子さんは目を丸くしている。
「――私だってそう思いたいけど、タイミングが良すぎるっていうか――。ねえ、コナン君はどう思う?」
「あ……あれれー? 僕? 僕はそれはもう――新一にーちゃんだと思うよ、ねぇ?」
あからさまな警戒の色を出しながらも、コナンくんは新一君を見上げて笑う。新一君は涼しい顔で頷いた。
「ほら、さっさと行こうぜー」
軽快に歩き出そうとする新一君を、蘭さんが引っ張った。
「久しぶりに会えたんだし、デートしよ? 事件なんて別にいいじゃない!」
緊張感が走る。
しばらく後に、ふわっと新一君は優しい笑みを見せた。
「ああ、そうだな、蘭。ここにはキッドキラーのコナンくんがいるんだし。
二人きりでどっかに行くのも悪くないと思うぜ」
+++コナン目線+++
コナンは心の中でため息をつく。
もちろん、自分の正体が工藤新一である以上、目の前でへらりと笑っている男こそ怪盗キッドであることは間違いない。
美術館に入れなければ、犯行は不可能だ。
ここは蘭に頼むか――?
しかし、だからといって自分が見ていないところで蘭と二人っきりになんてできるわけがない。あのキザな怪盗が何を考えているかわかったもんじゃないからな。
(キッド、おめー蘭と二人っきりでどこに行くって言うんだよーっ)
心の中で声を荒げる。
+++コナン目線ここまで+++
81人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まつり | 作成日時:2022年5月19日 15時