call a spade a spade9―third person― ページ41
なるほど。キッドは自白剤を飲ませてまで、『宝石について』の情報をAから得たかったというわけか。
しかし、キッドの狙う宝石について、Aが何を知っているというんだろう。
沖矢は疑問を抱いたが、そのことは顔には出さない。
ここで今、『Aが園子だと思い込んでいる人物は実は怪盗キッドだった』と伝えたら、収拾がつかなくなるに違いない。
「気に病む必要はありませんよ。園子さんはきっと、覚えていないはずです、何一つ」きっぱりとそう伝えた。
「それに、別にいいじゃないですか。私だけでは不満ですか?
私はこの先ずっとAさんと二人っきりでも、楽しく過ごしていける自信がありますよ?」
――Aはかぁっと頬を赤らめる。
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どういう風に育ったらこういう言葉を臆面もなく口に出せるのか正直よくわからない、と思わなくもない。
それとも、世間一般の男性はだいたいこうなのか……。
なにぶん、Aはその生い立ち上、社会との接点が極端に少ないため自信が持てなかった。
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ただ、どうれあれ、沖矢のおかげで、気づけばAはくすりと笑えていたし、気が付けばこみ上げるような震えも止まっていた。
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作者名:まつり | 作成日時:2022年5月19日 15時