目が覚めたら私の恋人は赤井秀一でした2【名探偵コナン】 (ページ5)

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バーベキュー7 ページ5

「そうだよね、昔のこと全部忘れちゃったんだもんね？
　記憶戻ってきたらAおねーさんにもあるよ。そんな思い出、いっぱい！」

歩美ちゃんが元気づけてくれる。
私はなんとか、涙を止めて笑って見せた。

――ごめん、たぶん私は過去を思い出してもそんな思い出は一つもないの。

とはいえ、『私の育った暗い環境を子供たちに教える必要なんてない』記憶の奥の漆黒に塗りつぶされている底の見えなそうな深い闇から目をそらす。

そんな私にぶっきらぼうに、野菜やお肉を彩りよく並べたお皿を渡してくれたのは哀ちゃんだった。

「だったら、あなたも見ているだけじゃなくて食べなさいよ。
　みんなで食べる料理がおいしいかどうかなんて、自分で味合わないとわからないでしょ？

　別に今日が初めてでもいいじゃない。
　私は正直、どうせ料理を差し入れるなら煮込みの甘い煮込み料理より、高級な生のお肉の方が嬉しいわ。
　だから、次のバーベキューもぜひ一緒に食べましょう。

　昴さんにそう伝えておいて。あ、あの人は来なくていいわよ、あの人いるとろくなことに巻き込まれないから」

早口でそういうとさっさと自分の場所に戻る。

「ありがとう……」

『煮込みの甘い煮込み料理』なんて存在意義ある？そこはかなり引っかかったけれど、すでに気持ちを切り替えて、子供たちと新たなお肉を焼き始めた哀ちゃんに、今問いたてることはできず、私は炭火の香りが漂う焼き立ての柔らかな牛肉を口に入れた。