目が覚めたら私の恋人は赤井秀一でした2【名探偵コナン】 (ページ40)

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call a spade a spade8―third person― ページ40

それにしても、怪盗キッドは、こんなに時間がない中でわざわざ自白剤まで使って、Aから何を聞き出したのだろうか。

コナンへの電話をかけっぱなしにしたまま、沖矢は思考を巡らせる。

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沖矢昴の正体――？そんなこと、怪盗キッドには興味のかけらもないはずだ。
知ったところで、黒の組織(あいつら)とキッドが何かつながりがあるとも思えない。

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「園子さんと何を話したか覚えていますか？」

沖矢はAの瞳を覗き込み、努めて甘い声で問う。そこにはこどもに「今日学校で何があったか覚えている？」と問いかける母親のような優しさすらあった。

「私に言えないことなら別に答えなくても構いません。そろそろコナン君を探しに――」

Aは少し戸惑っていたが、意を決したようにぎゅっとこぶしを握り締めて唇を開いた。

「宝石のことと――私を捨てた人たちのこと――。
　私、そんなこと話すつもりじゃなかったのに、どうして勝手に――。
　しかも私は多分、あの人たちのことを『家族』って言っちゃったの……。家族なんかじゃないのに」

今にも泣き出しそうな顔で、Aが懺悔するように声を絞り出した。
いくらきつく抱き寄せても、Aの震えは止まらない。

なだめるように、髪にキスを落とし背中を撫でる。