目が覚めたら私の恋人は赤井秀一でした2【名探偵コナン】 (ページ30)

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痕跡9―赤井side― ページ30

Aの件、最初から轢き逃げ事故だと疑っていたら、もっと早くここに辿り着けていたかもしれない。

ジョディが大きくシートをはがせば、後部座席にはびっしりと「荷物」が乗っていた。木箱に入っているが、わざわざこちらで開けて確認する必要はないだろう――。

さて、黒幕はどのルートでここに辿り着くつもりかな。

まあ、いまさら手遅れではあるが。

木を隠すなら森の中というが、車を隠すなら駐車場――といったところか。

いや、そういう気持ちもなかっただろう。とりあえず実家が所有するあまり目の届かない駐車場に車を放置。

後は野となれ山となれ――という心境だったのかもしれん。

とにかくもう、俺にとってはこの事件は終了、チェックメイトというやつだ。
黒幕探しや、アメリカにいるはずの協力者の洗い出しなどは各担当者の仕事として請け負ってもらいたい。

それよりも、ボウヤからの空メールが気になった。

ようやくキャメルがたどり着く。

「赤井さん、いくらなんでも飛ばしすぎですよー。Highwayじゃないんですから。ここで警察に捕まったら面倒なことになるんですからね？ちょっと、聞いてます？」

キャメルは何か言っているが、耳には入ってこない。

連絡のためスマホを取り出そうとしているジョディに背を向ける。

――I have a bad feeling about this.(嫌な予感がする)

念の為に身につけていたジェリコ941(拳銃)を、他の誰にもばれぬよう、服の上からそっと手で確かめた。