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恋人ができない理由2 ページ50

FBIの事務所で仕事をすることも増えた。
不定期に場所が変わるので、結局いつも赤井さん―改めシュウに連れて行ってもらうことになる。

だって事務所でみんながそう呼んでいるのに、1人で「赤井さん」と呼び続けるのは難しい。流されるのはあっという間だった。

コーヒーを2つ、さらにパンをあれこれ買って乗り込む車の助手席にもすっかり乗り慣れてしまった。
どうぞと渡すと、吸っていた煙草を灰皿に押し付けて受け取ってくれる。

「どうして俺の分までいつも……」

それは運転のお礼に決まっている。

「ダメ? このコーヒー嫌い?」

「いや、そんなことはない」

「今日はシュウも朝ごはん食べて? 卵サンド、柔らかくて美味しかったし、ね?」

「ああ、君がそこまで言うなら……いただこう」

そういって、シュウが事務所できちんと卵サンドを食べるのを見ると心底ほっとする。会社近くのカフェで食べる時も、勝手に朝食を押し付けてしまう。



でも、そんな自分を怖いと思う。

シュウと接する時間が増えれば増えるほど、煙草の吸いすぎはダメだと思ってしまうし、朝ごはんを食べないことも、昼ご飯が適当なことも、夜はお酒しか飲まないことも、……目に余る。

どうしても、きちんとした朝ごはんを食べさせたくなってくる。

……これって、もはや安室さんが私に毎日お弁当を持たせるのと一緒だよね。何そんなわけのわからない癖がうつっているんだろう。

いや、そんなことを真似したって仕方ないし、出来るならシュウ以外の人を気にかけたい。


「あら、A元気ないじゃない? 今日の仕事はそんなに難しい?」

ジョディはよく私を気にかけてくれる。

「いえ、仕事は順調です。ご依頼の件は今日中に片が付きます。ここのところ合コンの誘いも、個人的な誘いも全くなくなっちゃって……」

「……え? Aってシュウと付き合ってるんじゃないの?」

ジョディに驚かれて、こっちが驚いた。

「どうしてそう思うんですか?」

「どうしてって……。ねえ、A、その話についてシュウと話し合ったことは?」

「一度もありません」だって時間の無駄だもん。

「それは一度、話し合ってみた方がいいわよ」

……そうなんだろうか。私は首をかしげる。

++++++
続きます!

溺愛禁止?2【赤井秀一】【安室透】

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まつり(プロフ) - タタリさん» タタリさん、ありがとうございます。 (1月26日 8時) (レス) id: 91a8359b9e (このIDを非表示/違反報告)
タタリ(プロフ) - 面白いです!赤井さん降谷さんコンビ最高! (1月25日 23時) (レス) @page22 id: 3b67077e0b (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - ハロさん» ご指摘ありがとうございます。ここでは代理できており、時間がないため説明の手間を省こうと偽っている設定です。本編に説明文を加えておきますね。 (5月18日 17時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
ハロ - 風見は警察庁では無く警視庁ですよ (5月18日 16時) (レス) id: 39e5bd607a (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - ゆーちゃんさん» 嬉しいです。ありがとうございます! (2023年3月2日 16時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まつり | 作成日時:2022年9月1日 8時

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