溺愛禁止！1【赤井秀一】【安室透】

ヘッドハンティング5 ページ33

全然仕事が手につかないので、私は早めに切り上げてスタッフルームで昼ご飯を食べることにした。

お弁当を空っぽにして返さないと怒られるし、まさか安室さんが忙しい合間を縫って私のために作ってくれるお弁当の中身を捨てるなんて言う発想はない。

――っていうか、なんで今日に限って嫌いなものがこんなにたくさん入ってるの――

ため息をつきながら、それでも苦手な根菜をかみしめる。
あ――。でも、ひき肉と一緒に炒めてあると、煮物よりはずっと食べやすいかも――。

そんなことを思っているうちに、昼ご飯を食べ終わる。
なんだかんだ、嫌いなものも美味しく食べられるように工夫してくれるんだよね、安室さん。でも、どうアレンジしてもグリーンピースだけは苦手……。

はあ。何も手につかないし、歩いてきた方がいいんだろうか。

スマホでFBIって検索してみても、アメリカ国籍必須って書いてあるし、私条件の適応外なんだけど……。

もしかして、ブラックさんは私と別人を勘違いしていたのでは。


そうだよね、きっと。

きっと戻ってきたら「会社名を間違えていました」とか言って帰ってくれるに違いない。

あー、こんなことなら英語喋れないことにしておくべきだった。
今更、英語喋れないなんて嘘通用しないよな……。



はぁ、困る。


「蘇芳主任、受付の田中です。警察庁警備局の方が来られています。応接室Aが空いているのでそちらにご案内中ですので、向かっていただけますか。

　うふふ。やっぱり、イケメン独り占め罪なんじゃないですか？ ドッキン❤法違反です！ 私に分けてくれないからですよ？」

などと呑気な内線がはいってきたのは12時40分だった。

警察庁警備局って何……？聞きなれない言葉に心がざわつく。


これで、安室さんと無関係だったらもうキャパオーバーだ。

　

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