ボディガードは不要です7【沖矢昴】【安室透】 (ページ37)

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information7―沖矢side― ページ37

「実は、例のテロ事件首謀者でもあった※※国関連の仕事をしているエンジニアが私の友人にいるのですが、昨日とあるサーバー上でこんな画像を目にしたと教えてくれましてね。
　マスコミには流出していないはずの映像に、彼女が映っていたことを知り、驚いて教えてくれたんです」

俺はこのためだけに準備した新しいスマホにSDカードを差し込み、胸糞悪い映像を見せた。

拳銃を持った大勢の警察や公安の後ろから隠し撮りされた映像は東都大学テロ事件発生時のものだ。

Aにナイフを突きつけた男が、※※国の言葉で声高に叫んでいる。

『彼女を解放する代わりに、俺の家族の安全を約束しろ』――と。

降谷くんの顔色が見る見るうちに青ざめていく。

「彼の家族写真をいただけませんか？今すぐに。
　他にも知っている情報があれば教えてください。
　敵の姿がわからなければ守れるものも守れませんから」

「お前、何を言っている。これが事実なら彼女を今すぐ公安の庇護下に置くべきだ」

「おや。誰が裏切り者かもわからない、裏切られたことすら気づいてない所に彼女を渡すわけにはいかないから、私がわざわざここに相談に来たことをお忘れですか？」

降谷君は乱暴に右手で金色の髪をぐしゃぐしゃとかき乱す。
怒りに任せて立ち上がらないところを見ると、よほど体調が悪いのだろう。

「彼女は今どこへ」

「安全な場所です。ご心配なく。
　そもそも私は彼女に身に危険が迫っていることを教えるつもりはありません。ようやくPTSDが治りかけているのに、また振り出しに戻すのはやめていただきたい。しかも原因はそちらの落ち度だ」

そんなことで、彼女の行動を制限させるわけにも不安に陥れるわけにも、いかない。