目が覚めたら私の恋人は赤井秀一でした1【名探偵コナン】 (ページ44)

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モーニングコーヒー4―赤井side― ページ44

まさか、Aに宥められるとは――

思いがけず髪の毛に降ってきた淡雪のようなキスに呆気に取られているうちに、彼女は踵を返して部屋から出て行ってしまう。

――君にはかなわんよ。

そう思うのは、もう、何度目になるだろう。

一人になった部屋で、タバコに火をつけた。
ああ、タバコを口にするのは半日ぶりだな――なんて思いながら。

昨夜は彼女をベッドにおいてシャワーを浴びたら、珍しく瞼が重くなった。
こんなに長い間眠り続けたのはいつ以来だろうか――

タバコのついでに、事故現場の写真を燃やしてしまおうかと思ったが、やめておいた。

Aだって記憶が戻れば犯人が知りたいと思うかもしれない。
それに、この写真の持ち主に会って事情を知りたいし、元のデータを消去しておきたい。

誰もがいつでもどこでも気軽に写真を撮れるようになったのは、スマホの罪の1つだ。

玄関から新聞を取ってくれば、「沖矢昴の写真」を勝手に撮って変装したあの泥棒の予告状がトップに掲載されていた。

ほんっと、いまいましい――

そういえば、今日が美術館のオープンだと言っていたな。
この怪盗、結局のところ鈴木相談役にいいように踊らされているだけではないのか。

まあいい、関係のないことだ。

俺はもっと小さな事件を知るべく、新聞をめくった。