目が覚めたら私の恋人は赤井秀一でした1【名探偵コナン】 (ページ24)

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美術館の下見4 ページ24

私は鞄の中のスマホが震えていることに気づいて、隣の部屋へと移動した。

もちろん、このスマホの番号を知っている人は一人しかいない。

「問題は起きてないか？」

電話越しでも、ドキリとするほど魅力的な声に心臓が跳ねる。

「ノープロブレムよ。お昼ご飯も食べたし、きちんと楽しんでるわ。
　今、コナン君に連れられてオープン前の美術館に来ているの。
　怪盗キッドからの予告状がきたとかで、大騒ぎ」

「本当に、ボウヤの周りでは事件が絶えないな」

やや呆れたようにそういう秀一は、でもどこか楽しそうだ。

「お仕事、忙しいんでしょ？私は大丈夫。ねえ、何時に帰ったらいい？」

「外に出たいといったのは君の方だ。気が済んだなら今すぐにでも帰っておいで。

Aが大丈夫っていうときは、だいたい大丈夫ではないんだがな――」

子供をたしなめるように、秀一が言う。

私は思わずスマホを落としてしまった。

記憶が、蘇る。

『Aさん、もう、大丈夫だなんて言わなくっていいんですよ。少なくとも、私の前では――』

わからない。どうしてもっとはっきり、あの人のことを思い出せないんだろう。

あの人も、秀一も、タバコとお酒と珈琲が好きだしミステリアスだ。

だけど、男の人なんてみんなそうなのかもしれない。