【REBORN!】振り返ったら (ページ8)

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五話　side夢主ページ8

あぁ、油断した。
自分の腹に銃弾を食らった挙句、毒で倒れるなんて。

ジクジクと傷口が痛み、血が流れる。
そんな私を見下ろす、対戦相手のルミナス。

ポートマフィアの時でも、こんな屈辱的なやられ方はしなかっただろう。
平和な世界に身を置きすぎたせいで、鈍っていたんだろうか。

そんな考えしか頭に思い浮かばなくなった私に、ルミナスは私の事を
ペラペラと話し出す。

良くもまぁ、私が消した情報を此処迄集めたものだと感心すら覚える。
私がポートマフィアにいた事を、今生きてる人間で知っている人なんてあまりいないはずだ。

そんな呑気な事を考えていると、私の事だけではなくポートマフィアまで馬鹿にされた。
思わず「煩い」と声に出していた私なんか眼中に無いのか、

「潰れたポートマフィアのボスはどれだけマヌケだったのかしら？」

『…は？』

私の口から低い声が出る。
もっと言い返したいのに、私の身体は私の意思に従わず、意識が落ちそうになる。
私の胸にカチャリと銃口を向けられる。

「これで終わりですわね。それじゃぁ、さようなら」

向けられた拳銃の引き金をルミナスは、迷うことなく引いた。
パーンという銃声の音と共に、私の意識は無くなった。

・

【……て…、お…き……！起きて…！】

暗闇の中。
幼い少女のような声が聞こえる。
聞いたことがある声のような気がした。

【いいの…？馬鹿にされたままで…！】

良くないに決まっている。
何も言い返していないし、言われっぱなしは性に合わない。

【なら、起きて。目を開けて。】

その言葉に従うように
ふっ、と目を開くと、目を見開き驚いた表情をしたルミナスがいた。

「なっ、なんで、生きて…確かに死んでいたはずですのに…！」

「化け物」と続けて発言するルミナス。
化け物…なんて、

『知ってますよ。私は元々、化け物なんですから』

目が覚めて、"いつものように"傷が無くなっている身体を見て溜息をつく。
はぁ、また死ねなかったんだと心の中で思っていると、先程の声が私に囁く。

【私を…呼んで】

呼ぶ？一体何のことだろう？
そんな疑問を読んだのか、声の主は、

【……私を連れ出してよ、名前をカタカナで】

…あぁ。
この声は貴女だったんだね。
そのセリフをこの子に言われたら、いつも決まって私はこう返すのだ。

『それが、貴女様のお望みとあらば…』

そして私は、口に出す。