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慰めのお土産付きで呆気なく振られ、
それでも諦めが悪く「 惚れさせる 」宣言をしたのは一昨日の事

京都に出張に行った先輩は
相変わらず電話には出ないし

俺のことは 面倒だから、と拒むくせに
向こうで誘われた男には簡単に靡いてると思うと
授業なんて聞いてられないほどモヤモヤする







「すまん、電話だ。」





いつもなら着信があっても無視する夜蛾先生には珍しく、
電話の相手を確認すると授業を中断してまで廊下に出ていった

どうせ内容は入ってこないし
中断した理由にも電話の相手にも興味はなかったが、
教室まで響いてくる怒号と殺気のせいで
気にせずにはいられなくなった



同階の事務室で作業をしていた補助監督の数名も
夜蛾先生を囲んでどうしたものかと手を拱いている









「あいつを何だと思ってるんだ!!ふざけるのも大概にしろ!!!」




最後の言葉を相手に怒鳴りつけて電話を切ると
補助監督に何かを言いつけて乱暴に教室の戸を開け戻ってきた

何事かと硝子も傑も驚いていると
次の一言に一瞬体が強張り、呼吸すら忘れてしまった








「Aが消息を絶った。」








「…は?」

「生きてますよね?」








詳細は後回しに真っ先に生死を尋ねる硝子
声は上擦り、握った手は微かに震えている

先輩と一番付き合いが長いのは硝子だ
彼女の素顔も実力も、硝子が一番知っている








「京都の奴らは昨晩の戦闘中に殉職したと言い張っている。実際に昨日からは誰も連絡が取れない。だが俺が向こうに派遣した補助監督の報告では指の一本も遺体は上がっていない。現時点では、”あくまで消息不明”だ。」





肯定でも否定でもない、現状の報告
死因が呪霊との戦闘なら遺体が残らないことは珍しくない

だが今回に至ってはそれが彼女が生きている証だと
自分に言い聞かせることしか出来なかった

何かの企みに巻き込まれたのだ
どこかで飄々と生きているに違いない



”あくまで消息不明”という言葉にどうしようもなく縋りつく









「京都に行くぞ。今すぐに、」









返事など待たずに教室を出ていった先生



まだ固まったままの硝子の手を取って

3人で後を追った

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(プロフ) - 凄い面白いです!休校中の楽しみですねもう。更新応援してます! (2020年4月13日 10時) (レス) id: b1b211da94 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年4月11日 13時

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