333 英雄 ページ46
side諸伏
英雄の様だった。
名前の通り、ロブロイの通り。
“スコッチ”と呼ばれて気が動転した俺を、俺だけを守って敵を一掃するその姿は、本当に英雄だった。
「おしまいです」
そう言って彼女は安東にもう一度刀の先端を首に当てた。
「……金目、そうか、カジキの娘か…………」
如何やら知っていたらしい、彼は諦めた様に笑っていた、それを見た俺は顔を歪める。
「諸伏さんを殺そうとしたんだ、貴方にはお縄に掛かって貰います」
「…………そうか、俺は幸せ者だな」
「何？」
俺は反射的に聞き返す、幸せ者だって？
「俺の最後はな、カジキに看取ってもらうことにしてたんだ」
「生きて罪を償って貰いますけど」
「分かってるよ」
如何やら本当に巴の父親と仲が良かったらしい、俺は満足そうに笑う彼の顔が見れなくなった。
沈黙が続いて、誰も一言も声を発さない中、一番最初に口を開いたのはなんと巴だった。
「父は、警察官としてどんな人でしたか」
「……君の見た通り、優秀な奴で合ってるよ」
「貴方は仲が良かったみたいじゃあないですか」
「他よりかは、な。
ただ、多々良の奴には負けたよ、彼奴等優秀だからな……」
「貴方も相当ですよ、4年も、あの長官の目から逃げられたのですから」
皮肉か、と言いながら笑う彼に少し怒りを覚える、けれどその怒りは決して、よくも自分を蔑ろにしてくれたな、等のものではなくて。
遣る瀬無い気持ちになった。
暫くして、福岡の公安部が長官と共に彼の身柄を引取りに来た、俺は首の皮を半分綺麗に斬られた彼の侘しい後ろ姿を見つめることしか出来なかった。
俺は諸伏景光だ、スコッチなんかじゃあない。
そして俺はこれからも、諸伏景光であり続ける。
国を守る為なんだ、後悔は、無い。
「……諸伏さん」
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久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - さちさん» さち様いつもありがとうございます！出会っちゃいましたね、2人……。そう言って頂けるとこちらも励みになります、改めてありがとうございました！！ (2019年10月5日 21時) (
レス) id: 9224d831df (このIDを非表示/違反報告)
さち - 何度も読みに来ちゃいます。おもしろいです。ヒロとゼロの邂逅。続きが楽しみです。よろしくお願いします。 (2019年10月4日 19時) (レス) id: 5f335610e5 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - さちさん» さち様いつもありがとうございます！出ましたね高明さん（笑）これからも頑張って参りますのでよろしくお願いします！！ (2019年9月10日 17時) (レス) id: 9224d831df (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろいです。高明さん出てきましたね。続きが楽しみでしかたないです。よろしくお願いします。 (2019年9月10日 12時) (レス) id: a4eca54f61 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 水城紗綾さん» 水城様！いつもありがとうございます！はい、更新頑張らせて頂きますので、是非とも今後も楽しみにして頂ければと思います！改めて閲覧及びコメントありがとうございました！ (2019年9月8日 19時) (レス) id: c1dc633bc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時：2019年9月6日 18時
