夢に彷徨う 【名探偵コナン】

316 庇護 ページ28

「……あれ、コナン君巴ちゃんのこと知ってたんだ」


彼はつまんないの、と零す。


「萩原刑事は巴さんと知り合いなんだね」


「知り合いじゃないよ、恩人」


8年前から関わりがあるからね、という彼に疑問が出てきた、8年前は未だ巴さんは梶木の姓の筈だ。


諸伏警部を向けど彼は首を振る、本当に知らないのだろう、萩原刑事はご機嫌そうに笑った。


「巴さんのこと小学生から知ってるの？」


「そりゃあ勿論！！」


巴ちゃんと出会ったのは8年前のトロピカルランドでね───。


「へぇ、じゃあ恩人っていうのは？」


「そりゃあ勿論、俺達や元機動隊員の命を救ってくれたから。


巴ちゃんが居なかったら今頃皆お陀仏だよ」


聞いた話を総合して一言で纏めると、巴さんは人外っぷりのことを成し遂げた様だ、もしかしたら俺よりも無茶しているかもしれない。


そんなことを考えていれば、足を進めていたので病室には着いた、ガラリと開けると未だ眠ったままの彼女が横たわっている。


その上には“梶木”と書かれていた、それを見た萩原刑事はピタリと動きを止める。


「……待って。


コナン君、巴ちゃんの目の色知ってるか？」


目の色、思い当たる節が1つだけ、隣の諸伏警部はびっくりした様に彼を見ていた。


「…………琥珀色」


そう言った瞬間、萩原刑事は顔を真っ青にして、


「コナン君！！


頼む、そのことは黙っていてくれ。


いいか、巴ちゃんの目の色は紫よりの茶色のダイクロイックアイ、そうだろ？」


そう飛びかかって肩を掴んで言ってくるので、俺は瞬時に彼も藤原と梶木、巴さんの2人の正体を知っているのだと悟った。

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