268 十五 ページ28
「俺は辞退するよ」
迷いなく出てきたその言葉に俺自身もびっくりしたが、そちらの方が、純粋にいいだろうと思った。
普通に、暮らしているだけでいいと思った。
「多分高校生時代の俺とかなら新世界の神になる、とか言って受けたりするかもだけど」
「急にネタぶっこむの止めてくださいよ、私至って真剣なのに」
とか言って軽く笑う彼女は少し嬉しそうだった。
彼女はソファにちょこんと体育座りで座ってキッチンに立つ俺を見ていた、ごめんごめんと俺も笑う。
「でもさ、生きることの楽しさっていうの?
柄にも無いけど、巴ちゃんと出会って、普通に生きることがどれだけ難しくて凄いことなんだろうって考える様になって。
巴ちゃん居なかったら今頃皆全滅だろ」
全滅という言い方に多少呆れられつつも、俺は全て彼女が守ってくれた日々に心底感謝した。
本当なら、たった8歳の子が危険を冒してまですることじゃあないのに。
「巴ちゃんさ、最初はあんなに小さかったのに、もう15歳か」
「………………そうですね」
反応するのが大分遅れていた、大方今日が自分の誕生日だって忘れていたんだろう。
「改めて、誕生日おめでとう」
「…………ありがとうございます」
今日、俺の家に呼んだのは外出させるというのも勿論のことだが、もう1つ大事なことがあった。
俺があの時見つけた手紙、俺が彼女と一緒に居た理由。
「巴ちゃんに渡さないといけないものがあるんだ」
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久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 水城紗綾さん» わざわざありがとうございます!そうですね、この後また団子を食べている描写があるので十二分よりかは十分とかの方が良いかもです、本当にありがとうございます! (2019年8月30日 22時) (レス) id: c1dc633bc5 (このIDを非表示/違反報告)
水城紗綾 - 度々すみません!「267 団子」の一行目の《十分》が《十二分》になってます。間違い……なのかな?と思ってコメントさせてもらいました。更新お疲れ様です! (2019年8月29日 9時) (レス) id: fd3bd08589 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 水城紗綾さん» 閲覧及びコメントありがとうございます!ありがとうございます、本当に内容はそんなに進んでないんですけどね(笑)とても励みになります、頑張りますので是非ともよろしくお願いします!! (2019年8月28日 15時) (レス) id: 9224d831df (このIDを非表示/違反報告)
水城紗綾 - 更新お疲れ様です。もうなんか、更新速度が速すぎて……。本当に尊敬します。内容も面白いですし。これからも頑張ってくださいね。*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・* (2019年8月28日 12時) (レス) id: fd3bd08589 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - さちさん» 閲覧及びコメント毎度ありがとうございます!!本当に励みになります、度々ありがとうございます!!頑張ろうと思いますので、是非とも宜しくお願いします!! (2019年8月23日 21時) (レス) id: 9224d831df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時:2019年8月15日 23時