245 帰還 ページ5
私達はそれぞれの家まで松田氏に送って貰う、あの後、諸伏氏曰く、やることがあって忙しいからちょっと後で携帯送ると言われたので、私は了承した。
あんな気味悪い物持ってても体調崩すだけだって、世界の謎について書いてたら読まないといけないんだけど。
そんなことを頭の隅で考えながら、私は松田氏の車の後部座席に、スーツケースと共に座って寛いでいた。
「よっし、巴ちゃん家で退院パーティだ!」
「もう如何いう心算です、私部屋掃除してないから家汚いですよ」
「大丈夫、俺が週2で掃除してたから」
如何しよう、何処から突っ込んでいいか最高の頭脳を持ってしても分からない。
私は合鍵渡さなかった方が良かっただろうかと後悔しながらも、掃除をする手間が省けたので複雑この上ない心情になっていた。
それを見兼ねた松田氏が、色々と悪い、と煙草を咥えながら小さく呟いた。
「…………ありがとうございます」
そう言うと彼はムス、と口を尖らせ、私に不満の表情を見せた。
何が不満なんです、と聞けば、
「それだよそれ」
いやどれだよ、指示語じゃ分かりませんと言うと、彼はニィッと笑ってこう言った。
「俺にも敬語無しにして!」
松田氏が言うには、如何やら私が諸伏氏とタメ口で話しているのを見て負けた気がしたらしい。
妹もこんな負けず嫌いだったな、と思い出し、思わず笑ってしまう、彼は私を驚いて見ていた。
ありがとうと、笑いながら言うとそれはもう満足そうだった、私は少し恥ずかしいぞ。
ついでに、今までずっと言えなかった、母の形見である婚約指輪の件も感謝すると、彼は手で口を抑えてそっぽを向く。
そのまま帰れるまで口を聞いてくれなかった、何だったんだろう、私は謎の行動に終始困惑していた。
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久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 水城紗綾さん» わざわざありがとうございます!そうですね、この後また団子を食べている描写があるので十二分よりかは十分とかの方が良いかもです、本当にありがとうございます! (2019年8月30日 22時) (レス) id: c1dc633bc5 (このIDを非表示/違反報告)
水城紗綾 - 度々すみません!「267 団子」の一行目の《十分》が《十二分》になってます。間違い……なのかな?と思ってコメントさせてもらいました。更新お疲れ様です! (2019年8月29日 9時) (レス) id: fd3bd08589 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 水城紗綾さん» 閲覧及びコメントありがとうございます!ありがとうございます、本当に内容はそんなに進んでないんですけどね(笑)とても励みになります、頑張りますので是非ともよろしくお願いします!! (2019年8月28日 15時) (レス) id: 9224d831df (このIDを非表示/違反報告)
水城紗綾 - 更新お疲れ様です。もうなんか、更新速度が速すぎて……。本当に尊敬します。内容も面白いですし。これからも頑張ってくださいね。*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・* (2019年8月28日 12時) (レス) id: fd3bd08589 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - さちさん» 閲覧及びコメント毎度ありがとうございます!!本当に励みになります、度々ありがとうございます!!頑張ろうと思いますので、是非とも宜しくお願いします!! (2019年8月23日 21時) (レス) id: 9224d831df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時:2019年8月15日 23時