華を契る 【名探偵コナン】

244 土産 ページ4

「巴ちゃんーッ！！」


「治った」


30分に渡る説得の末、ようやく目の前の私が幻覚ではないと気付いた萩さんから聞くと、居酒屋に居た筈なのにいつの間にかバーで倒れてたとか。


「その居酒屋って他に誰か居たのか？」


絶対諸伏氏居たな、いや居ないとカクテルなんて飲もうとしないだろと思って聞いていると、居酒屋の時点では公安組を除いた警察学校組が。


バーに着いて行ったのはへべれけになった萩原を迎えに来た諸伏氏だけだったという。


「唯君が居ながら何やっとったん…………」


「スマン、うっかり口を滑らせたらバーに行こうと酔った此奴が……」


此奴にもそれで公安が勤まるのか、と声を大にして叫んでやりたい。


まあそんなこともあり、話題は私の土産話となる、ストリートダンスを大学で出来た友人や新しく別途で出来た友人()としたこと。


日本食が恋し過ぎて味噌を大量に買ったことだったりと、話題が色々と持ち上げられた。


「あ、そういえば唯くん、阿笠博士から預かり物を渡されてないか？」


携帯の、と言うとハッとした顔で私を見る。


「あ、嗚呼……うん、そうだな。


後で渡す」


余りにも不自然な応答の仕方だったので思わず首を傾げる、目を逸らした彼は苦虫を噛み潰した様な顔していた。


「？うむ」


何か見られたくないものでもあったのだろうか。


そう思いながら萩さんの退院手続きをして、彼を連れて病院からはさっさと退散した。


当分はお酒禁止というと上機嫌に分かったという彼を見て、改めて重症だと思った。


……このままだと原作が変わってしまう可能性がある。


私も少し彼に、いや彼等に馴染み過ぎた様だ、あれは流石に異常だが、今後の彼等との付き合いを見直さなければと思い、溜息を吐いた。

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