音を乗せる 【名探偵コナン】

191 目覚 ページ48

彼は作った昼食のスープを皿に盛り付けながら、私は先程買った花を花瓶に巧く挿しながら、各々無言で動いていると、ソファーから呻き声が聞こえた。


「ん゛ぅぅ、…………」


「……獣みたい」


ボソッと呟くと、如何やら萩さんには聞こえていたらしく、肩にポンッと手を置き、


「巴ちゃん、男は皆獣だよ」


「貴方が言うのか」


と、獣という単語で、前世で昔某獣の何たらとかいうアニメを見たな、と思いこの世界にあるのかと思って調べると、何とアニメ放送もされていた。


この世界でも大分有名だったらしい。


「ぁぁ、あ？


何処だ此処」


「あ」


目、覚めた、と言うと、こちらを向いて固まった。


「ロブロイ、と、萩原？」


「諸伏さん、安心して下さい、もう此処に組織の人は居ません」


「ん、組織？」


「萩さんは知らなくていいです、そういうことなので」


「……分かった」


「諸伏さんは普通に今まで通り私のこと呼んで構いませんよ」


「おう、巴、宜しく」


「えーと、では説明と健康調査ですね。


身体は大丈夫ですか、何処か痛い所とか」


仮死状態にさせてしまったので、もしかしたら神経とかが逝ってる可能性があるので、聞いていてまず損は無い。


「いや、至って普通だぜ？


えーっと、所で俺は、死んだことになった、のか？」


「察しが良くて助かります、これから戸籍情報を長官の方に提出しないといけないのですが、取り敢えずこれでいいですかね」

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