音を乗せる 【名探偵コナン】

181 不在 ページ38

そう、彼女は忙しいみたいで何故か最近家を留守にしている、前に会えたのはもう1年経ったのか、と言った2ヵ月前のことだ。


俺は彼女のことがとおっても心配で、このところ精神的に大分きつくなっていた、それを松田に容易に見透かされているのが今の状況である。


あー、巴ちゃん居ない、そうだ、彼女の似顔絵描こう、いや、写真あるから猫耳とか尻尾で加工しようか。


「……は？」


と、唐突にも素っ頓狂な声を出して俺を見る松田が目の前に居たので、


「は？って何さ」


このように強めにジト目で返した。


「お前家に押しかけてるわけ？」


「そうだよ」


「お前俺の同僚だよな？」


直訳するとお前警察だよな、であるそれを俺は肯定する。


「ずっとそうじゃん」


「そのガキの親御さんに失礼なの分かって言ってんの？」


「その親御さんが、居ないんだよ」


「孤児院か？」


「いや、一人暮らししてる、俺がよくちゃんと食べてるか見に行ってた」


あれは目を離すと何も食べずに一日パソコンと睨めっこして挙句の果てに寝落ちしたこともあったっけ、世界の謎とか何とか書いてたけどあれ何だったんだろ。


「訳が分からん」


「分からなくていいよ」


そう言うと、松田は机に突っ伏した。


仕事は未だ未だ終わりそうに無い、と、此処でメールの着信音が鳴り始める。


不審に思いつつ見てみると、差出人はなんと、行方を露わにして居なかった巴ちゃん自身からだった。

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