165 心配 ページ22
side貴方
「巴ちゃんッ!!」
暗闇の中、迷いもせず私に走って来た彼に既視感を覚えた。
「…………萩さん、如何して」
“私”が5歳の時、“父さん”が暗闇の中走って来てくれた時の記憶が、彼の影に妙にちらついた。
一瞬でもかつての父かと期待した自分を精一杯殴りたい、そうだよ、もう此処には居ないんだ、と記憶と昔の感情を押し込めた。
「幾ら電話しても、待っても全然っ、全ッ然着信1つも無いんだよ!?
こんな深夜まで何やってたのッ!!?」
「大丈夫です、さっきまで大人と一緒に居ましたから」
「そういう問題じゃないだろ!!
それに、その格好、……血の臭いもする」
「…………」
私は押し黙る、返り血は無くとも臭いは付いていたかと、今の今まで気付かなかった自分を後悔した。
「……今日、来ないんじゃ無かったっけ」
必死に、頑張って絞り出した言葉がそれだったが、彼を不機嫌にさせるには十分な言葉だった、彼は一気に顔を歪める。
「巴ちゃん」
「なぁに」
「巴ちゃんはさ、俺のこと、好き?」
急に何を言い出すんだと思えば、彼は至って真剣に私を見ていた、知り合い───諸伏氏とベルさんのこととは言わないが───と同じくらいに好き、と言えば複雑な表情だった。
「巴ちゃん、もし、お願い聞いてくれるならさ」
「何でしょう」
「もう、何処にも行かないでくれるかな…………」
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水城紗綾 - 久坂朧@三色団子と朧は神さん» うぁぁ。ありがとうございます!頑張ります! (2019年8月10日 18時) (レス) id: fd3bd08589 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 水城紗綾さん» いえ、何か見た覚えのあるニックネームの方の名前だなー、と思って、探したら直前まで読んでた作品の筆者様だったのでつい……(笑)こちらこそ読んで頂いて嬉しいです、ありがとうございます!楽しみに更新待ってますのでそちらも頑張って下さいね! (2019年8月10日 0時) (レス) id: c1dc633bc5 (このIDを非表示/違反報告)
水城紗綾 - え!知ってるんですか!?え(困惑)………ッッ!!ありがとうございます!ログインもしていない私の作品を!知ってくださっているとは! (2019年8月9日 22時) (レス) id: fd3bd08589 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 水城紗綾さん» 閲覧及びコメントありがとうございます!そう言って貰えるととても嬉しいです!もしかしてkzの方で夢小説書かれてますか?そちらの方も楽しみに待ってます、更新待ってます!!改めて、ありがとうございました! (2019年8月8日 19時) (レス) id: 9224d831df (このIDを非表示/違反報告)
水城紗綾 - 右のお星様を押したいのに2回目だから押せないぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーー!!! (2019年8月8日 19時) (レス) id: fd3bd08589 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時:2019年8月3日 17時