音を乗せる 【名探偵コナン】

159 始末 ページ16

少し手合わせしていると、臭いが変だと言うことに気付く、パンでも焼いているわけじゃあるまいしと思うが、違和感に駆られた。


「……真逆、あんたら火をつけたの？」


「正解だよ。


侵入者が居た場合、2階と3階のコンピュータルームは燃やしてしまうというのが作戦なんだよ」


会場に居た人間は避難しただろうか、咄嗟に携帯を取り出す。


が、盲目であれど敵の目の前、私は無線機の方を耳に当て、応答せよ、と一言呟いた。


『如何した』


「2階3階コンピュータルームで火事」


『まじかよ』


『如何したんです』


「それからラストの関与、今胡蝶と当たってる」


『それは本当か！？』


「大広間の人間は？」


『未だ暗転してる、逃げる所じゃない』


「ベルさんに連絡」


『分かった』


無線機を外すと、急に静かになる、私は彼に向かい、


「こっちは燃やしてないんだ」


「俺が居るからな、渡しやしないさ」


「随分な自信家なんだね」


「あんたみたいな遣り手と出会うことを知ってれば、もうちょっと重装備で来たんだがな」


「それは光栄」


木刀を持ったまま彼の背後に回り込み、鳩尾に一発喰らわそうとすると、彼は勿論振り向く、其処から私は気配を消して頭部をナイフの柄で殴りつけ、ナイフに持ち替えて首元を斬った。


「！？」


衝撃に彼は耐えられなかった、そのまま地に伏せたまま動かなくなる。


幸い息はあった、地下のコンピュータルームに入り、膨大なデータを写し終えてから無線機を再度付けると、ベルさんから大声で呼ばれていた。

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