境を跨ぐ 【名探偵コナン】

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瞬間周りの和やかな空気が一気に張り詰める、無論私も目線を横にやりながら二杯目のアップルティーを口に含む。


と、イケ髭が一番に口を開いた。


「最近、ホシの外出が多いですね、それも殆どが銀行だ」


「銀行だと捜査が難しいな、如何する心算だ」


「尾けるしかない。


が、中々進展が見られない、万事休すの状態です」


それだと間に合わない、と父が切り返す、が多々良が諦めた顔で、


「それ以外は何も無い。


食料品の買い出しも全てオンラインで行っているんだろう、宅配業者の出入りが多い」


「最悪侵入は銀行に行く時か」


と、思考が危ない方向に持っていかれそうになった所で私は口を挿む。


「多分その心理学の彼の部屋には、他の史軍メンバーの金とメモリとか以外は何も無いと思う」


「何故そう言い切れる」


「父さんさ、その集団の幹部の身元から心理学の彼を割り出したって言ってたよね」


嗚呼言った、と聞こえたことに安堵し、其処から彼等の身辺と重要な情報を整理する、まずプロファイルより、



・史軍の頭はまずまずの大学を、心理学専攻で卒業したこと
(またその際に大学の教鞭を取りたいと高校の卒業文集に記載していたこと)


・高校在学中に父親の会社が急に倒産し、父親に自害にまで持っていかれたこと


・今は長野の実家の近くのアパートにて、ニートしてること



が、此処から、



→教鞭を取るには大学院に行き、博士号を取らなければならないが、彼の最終学歴には大学の卒業としか記載されていなかったこと


→其処のアパートから近い所にその大学院は無いので、どんな理由があるにせよ、現状行く気が無いこと


→その理由が金がらみの、若しくは倒産した会社関連である可能性が高いこと



が何となく割り出せる。


此処でポイント、彼を組織、史軍の頭等では無く、違うポジションに置いてみては如何だろうか。

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