境を跨ぐ 【名探偵コナン】

20 紐解 ページ22

史軍。


それは全国規模の政治・思想的暴力主義者集団。


所謂、テロリストだ。


テレビニュースでも何回か放送されたことがある、少数精鋭と思われる彼等は今や幹部の一部が指名手配となって時の人となっているのだから。


「……可笑しいな、誰も史軍の、とは言ってないんだけど」


「つい先日、大々的にニュースが取り上げられたよね」


此処ぞとばかりに切り出す、彼は眉を顰めたまま聞いている。


「WHO職員汚職疑惑、可笑しいでしょ、あんな大々的に取り上げられてるのに今はとっても静か。


WHOって言ってしまえば国連、国が吟味しないといけない問題なんだからマスメディアはやいやい騒ぎ立てる筈」


「……うん、続けて」


「それから一切、WHOと史軍のニュースはさっぱり……とまではいかないけど、比較的急激に減った。


私の予想では、WHOの金が史軍のどっかに流されてるんだと現状思ってる、それに気付いた父さん達が情報を、みたいな所。


多分そっちのゼロナナ辺りが動いたんだろうけど、で、指名手配された人間に近しい人物を調べて絞った、くらいかな。


私はこれ以上知らないからね」


正直に言うと、補正のお蔭である程度予想はついている。


彼等史軍は勿論テロリストだ、日本では彼らが起こしたテロで結構な数の死人が出てしまった。


が、3年程前に或る国で国権奪還運動のヘルプをしていた筈だ、心理学を専攻した彼を頭とする史軍は可成統率がとれていると思われる。


結果的に国権は取り戻せなかったものの、彼等はその国で英雄視されている、と私は考えている。


で、これが不味いのだが、4月1、2日でその国の首相が日本に来日する、と言うニュース。


多分父さん達もここでアクションを起こすだろうと踏んだ、みたいな所だ。


あのニュースがあったんだ、最悪国外逃亡も有り得る、というかそれを危険視していることから、彼等の任務は。


史軍を日本国内で縄に着ける、ことだろう。

21 招待→←19 試算

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す