境を跨ぐ 【名探偵コナン】

1 不明 ページ3

この存在は何だ。


人か、人にしては白過ぎないか、と思いながら目の前の男を見る。


イメージで言うと、古代ギリシア人みたいなまあまあいい感じのおっさん、服装もそれに酷似した物を着ていた。


「えーっと、藤原花流、16才、妹を庇って意識不明かー」


「すみません、此処はどう言った場所なのでしょうか」


「……んー、」


天界って言えば伝わるかな、と満面の笑みで言われる。


そこら辺に居そうなおっさんにされても、嬉しさは湧かなかった。


「……意識不明なんですか、私は。


ということは未だ死んでないんですね？」


「いや、多分二日もしないうちに死ぬと思う」


そう断言される、おっさんは見渡す限り淡いピンクの雲のモコモコ絨毯───もしかしたら本当に雲かもしれない───に手を突っ込み、メニューの様な物を渡して来た、……突っ込み？


「はいこれ、君の余生選択。


早めに決めないと賽子で決めちゃうよー」


と言われる、カウントダウンまでされるもんだから余計慌てるしかない。


はいさーん、にー、と始まるあたりかなり気紛れな神様だなと思うがメニューの方が最重要だ、目をゆっくり降ろしてみると、記憶消して死ぬか記憶持ったまま転生するかの二択だった。


「いーち、ゼロ、どっち？」


「転生で」


「おっけー、あ、転生するにおいて注意があるんだよね。


今から君を送り込む場所はランダムなんだけど、パラレルワールドみたいなもんだからぶっちゃけ何してもいいよ」


「ぱられるわーるど」


「うん、基本は何してもいいんだけど、君には一個この世界の謎を解いてもらうよ。


──────その名も世界の謎(コントラディクション・ザ・ワールド)」


心の中で、そのままじゃんか、厨二チックだな、と思いながら真顔で受け流す。

2 補正 1章 幼少期編→←PROFILE

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す