...ねぇ、目を覚まして。もう一度、あの笑顔を見せて──《Season2》 (ページ9)

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9話(108) ページ9

✧櫻井side✧

…今日もよく働いたなぁ、、

俺は自分がMCを務める番組の収録を終え、荷物をまとめていた。

そのとき、ちょうど俺の横を通り過ぎたスタッフさんの言葉に思わず顔をあげた。

「NEWSに新曲の話あるんだって～」

え、？…NEWSに新曲！？
…増田はどうするんだ？

それに手越は付き添いで活動休止しているはずだし…

一瞬にして脳裏にあの日のことが蘇った。
たった数時間の間で変わり果ててしまった増田の姿。

再び病院に運び込まれた増田の顔は今でも鮮明に記憶している。
忘れた日などなかった。

俺はスマホを開き、小山とのトーク画面を開いた。

櫻井翔新曲の話出たって聞いたよ。おめでとう。あまり抱え込むなよ。いつでも相談乗るから。

グループ違うしあまり頭突っ込むべきではないとはわかっているものの気にしずにはいられなかった。

小山は責任感の塊でできているような人間だ。何か抱え込みすぎて壊れてしまうことだってあるかもしれない…
そんなことになる前に助けてやりたい。

もうこれ以上、彼らに苦しんでほしくない。

小山とのトーク画面を閉じ、続いて手越とのトーク画面を開いた。

櫻井翔久しぶり。体調崩してないか?少し顔みて話がしたいんだけど家行ってもいい?

手越は新曲の話を聞いて何を感じただろう、
あんなに一時もまっすーの側から離れないって言ってたから…
葛藤してるんじゃないだろうか。

どんな決断をするにしても、彼が答えを導く手助けをしてやりたい。

『少しでも彼らの背中を押せれば…』

そんな思いを込めて。

あの日に囚われ続けてはいけない。
そろそろ進まなければ…

彼らの未来が明るくなることを信じて───