...ねぇ、目を覚まして。もう一度、あの笑顔を見せて──《Season2》 (ページ11)

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11話(110) ページ11

✧櫻井side✧

早々に仕事を切り上げ、なるべく早く手越の家へ向かう。

住所は今朝、チャットに送られてきていた。

家の前に着き、いったん深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。

＿ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

手「はーい」

翔「遅くなってごめん、櫻井です。」

手「今開けますね！」

＿ｶﾞﾁｬ

男にしては少し高いその声のあと、すぐに声の持ち主が顔を出した。

手「櫻井くん、いらっしゃい！お久しぶりですね！」

翔「久しぶりだね…元気にしてた、？」

手「そりゃあもう！オレはいつでも元気ですよ！笑」

その言葉とは裏腹に彼の顔色は決してよくなかった。

痩せたなぁ…手越、、

翔「お邪魔します。」

手「どうぞ～」

家の中は案外片付いている。

俺は手越に案内されて増田のいる部屋に入った。

手「まっすー、櫻井くん来てくれたよ！よかったね、」

そう声をかける手越の横顔はとても悲しげだった。

やっぱ無理してるんだな…

…

手「はい、どうぞ。お茶しか出せないですけど…」

翔「ありがとう。」

一通り落ち着いたところで手越がお茶を淹れてきてくれた。

手越は緊張しているのかだんだん口数が減ってきている。

俺は呼吸を整え、話を切り出すことにした。

翔「…話なんだけど、」

手「はい、」

翔「新曲の話出たんだって？」

既に先日、小山と電話をして現状は聞いていた。

手越は目を大きく見開き、俯きながら答えた。

手「…はい、」

翔「あんまり外部の人間が頭突っ込むのも良くないとは思うんだけど、やっぱり心配で…お節介かもしんないけど、少しでもお前らの力になりたいと思う…」

手「…」

手越は俯いたまま、反応はない。

翔「…悩んでるんだろ、？
メンバーに言えないことだって時にはあると思う…
俺はメンバーじゃないし、手越がメンバーに言わないでほしいことは絶対に言わないから。
他人に話すことで楽になることだってあるから…
一人で悩んでないで頼ってほしいな、
俺、一応先輩だし、？(笑)」

空気が重くならないよう、最後は多少おどけてみせた。
俺は手越の肩をぽんぽんと叩きながら彼の表情を窺う。

手「……櫻井くん。オレ、______」

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