12 - 6 劇場 ページ42
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「すみませんね、英智
”私の物語”に、貴方も加えてしまって
それも、”悪役”として」
生徒会室で、ぱらぱらと紙を捲る音がピタリと止む。
珍しく静かな渉は、微笑むだけだった。
「…僕が了承したのさ
今更渉が謝ることじゃあ無いと思うけれど
それとも何か、心境の変化があったのかな」
笑い返した英智に、渉は曖昧な反応をした。
「さあ、どうでしょう
…”私の物語”を進めるには、”貴方を利用”するしか無かった
ただ、それだけのことなのですが
その為に私は、英智がAをプロデューサーとして好んでいることを利用し、英智に申し出た」
「僕もつい先日まで、君を同じように利用していただろう？
言ってしまえば今も
お互い様だよ
…それに、ユニットの仲間だしね
Trickstarに魅了されて、なんていうんじゃないけれど、ユニットの仲間の為に濡れ衣を被るっていうのも悪くないと思っただけだよ」
机に肘をついて、頬杖をつき、英智は僅かに頭を傾けた。
下から観察するように、その眼はじっと渉を見ている。
「僕、ずっと気になっていたんだけど
どうしてそこまで渉はAにご執心なんだい？
少し僕も嫉妬しちゃうくらいだよ」
冗談可笑しく笑って見せた後に、英智は続ける。
「Aと同じように、渉も曖昧なんだ
Aは普段はしっかりしてるし、先読みしているみたいにひらひら動いてる
けれど時折、不意に動揺したり、おかしな行動をとる」
ズバズバと、言葉は余分な部位を伐採していく。
少しずつ、真っ裸にされていくように。
「渉も、Aを積極的に勧誘しようとしているけれど
渉自身、心の底からあの子が僕達fineの元に来てほしいと思っているようには見えない
作戦には乗ってるけれど
いまいち、渉が本当は何がしたいのか、わからないな、僕には」
教えて、とそう言っているようにも見えるが
この状況を楽しんでいるようにも見える。
渉は笑って、首を振った。
「私はただ、あの方の”本心”が見てみたいのですよ…☆
その為ならば、私は喜んで悪役にも回りましょう
ストーリーを演じましょう
私は彼女の物語の、とある一人の脇役に過ぎません
脇役はでしゃばってはならない
けれどもまた、脇役というものは、物語に欠かせない存在でもあるのですよ…☆」
そう言った渉は、赤い薔薇を手に笑った。
青い空に、その薔薇を手向けるように。
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まひる(プロフ) - 雪羅さん» ありがとうございます…！！妄想のままに描いているので賛否両論あると思いますが…(^-^; そういっていただけると嬉しいですー！(*´ω｀)ありがとうございます(*’ｰ’*)ﾉ (2019年10月13日 11時) (
レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - 前からこの作品見続けています！繊細で綺麗な表現とか、儚い世界観とか、謎の多いキャラクターとか、すごく作り込まれていてまるでドラマを見ているようでした！これからも頑張ってください！ (2019年10月13日 9時) (レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - ありまさん» ありがとうございます…！そういったコメント頂けると、嬉しいです(*^-^*) (2019年10月9日 22時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
ありま(プロフ) - この作品の雰囲気がとても好きです。 (2019年10月9日 21時) (レス) id: ef20a5c3d2 (このIDを非表示/違反報告)
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