10 - 4 独り劇場 ページ26
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不機嫌なまま凍りついた顔は、若干引き吊り始める。
尚もにこにこ笑う渉は、夏目の表情を楽しんでいるようにも見えた。
「ああ、良いよ」
あっさりと、英智は笑って頷く。
それに更に、夏目の表情は凍る。
「…ま、…待ってヨ
…”この人”がそれを望んでるノ？
勝手にひょいひょい決めちゃっていいわケ？」
夏目の瞳が、まっすぐ渉に向けられる。
『何を企んでいるの』と、訊きたげに。
無意識かどうか、Aをぎゅっと抱えて。
「Aさんはプロデューサーですからね、”皆の”
仕事上、そういうものです
…まともに利用できない者に、宝を与えても、それは宝の持ち腐れというものですから」
その言葉は、誰に向けたものなのか。
夏目は尚も納得できないと言わんばかりにAを離さない。
その腕の中で、Aは何も知らずに眠っている。
ショーケースの中の人形のように。
「ただし、愛は常に伝えねばなりません…☆
人は言われねば解らない、思い込みでも勝手に心は揺らぐのです
構って貰えなければ寂しくなります
人の心は難しい、だからこそ面白味があるのです、演じ甲斐というものがあるのです…♪」
『あっはっは…☆』と高笑い。
何故かロッカーの中から、『ひぃ』という悲鳴が聴こえたような気もする。
黙ったままの夏目に、英智は少し悩むような仕草をして言った。
「逆先くんは不満そうだけれど
彼女とは”ただのプロデューサーとアイドルの関係”じゃなかったのかい？
どうしてそこまで気にするのかな？
それとも、それほどにAは優秀だというわけかな？」
獲物を選別するような目。
遠くからでも、その気配は知れた。
夏目の背筋がぴんと伸びる。
顔を背けた夏目は、少し黙って一歩、後ろに下がった。
「……ボク、もう帰っていいかナ
渉にいさんに用があったんだけド
取り込み中のようだシ」
去ろうとする夏目に、何かを試すような目の渉。
それをただ眺めている英智。
夏目にとっては、えらく居心地が悪かった。
「……もウ、いいよネ？」
そう、渉に向けられた瞳に
渉は自然と背筋を伸ばし、貼り付けたような笑みを返した。
「どうぞ
また後で、夏目くん…☆」
自然と取り付けられた約束を背中に
夏目は足早に、その部屋から出て
何とも言えず、ため息を吐いた。
「…何のつもりだヨ、…師匠」
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まひる(プロフ) - 雪羅さん» ありがとうございます…！！妄想のままに描いているので賛否両論あると思いますが…(^-^; そういっていただけると嬉しいですー！(*´ω｀)ありがとうございます(*’ｰ’*)ﾉ (2019年10月13日 11時) (
レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - 前からこの作品見続けています！繊細で綺麗な表現とか、儚い世界観とか、謎の多いキャラクターとか、すごく作り込まれていてまるでドラマを見ているようでした！これからも頑張ってください！ (2019年10月13日 9時) (レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - ありまさん» ありがとうございます…！そういったコメント頂けると、嬉しいです(*^-^*) (2019年10月9日 22時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
ありま(プロフ) - この作品の雰囲気がとても好きです。 (2019年10月9日 21時) (レス) id: ef20a5c3d2 (このIDを非表示/違反報告)
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