9 - 3 最適解 ページ18
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とんとん、と肩を叩く。
ぱっと上げた顔。
目尻は僅かに赤かった。
口を開いて、動かす。
「落ち着いた、って訊いてるの、？」
か細い声に、頷く。
Aはぱっと手を放して、俯いた。
ちらっと見えた耳も赤い。
「…、ごめん
突然来て、泣いたりなんかして、困ったよね」
そんなAの頭に触れて、撫でる。
俯いたまま、Aは言った。
「ごめんね、落ち着いた
もう大丈夫
混乱しちゃっただけ」
笑ったAの頭をがっと掴んで、頬を引っ張った。
むかっとして、口を開く。
「…いひゃい
…あにひっへふはわはあなひ」
手を放して、言う。
掴んでおいて何だけど、Aの方がわからない。
「…ごめんってば
嘘ばっかり、って言ったんでしょ？」
口をへの字に曲げて、黙る。
Aは立ち上がって、笑いかけた。
「隠してるのは、認める
…でも、ごめん
凛月には、…ううん、Knightsの皆には
……話したくないの」
口を開く度に、『ごめん』と口にする。
対抗するように立ち上がって、ピアノに勢いよく手を置いた。
不協和音が、音楽室に響く。
「…やっぱり、納得できない、？」
慌てたように、視線を泳がせた。
そんなAの頭を両手で掴んで、無理矢理にでも顔を合わせた。
そうして、言った。
「…崖、？
昨日のところ…？
そこに行くの、？…どうして？」
考えていた、最終手段。
これでも話してもらえる保証はない。
けれどやってみる価値は、ある。
「…え？
………何言ってるの、？」
確認の為に、スマホに打ち込んだ。
見せる前に一瞬、戸惑いもあったけれど。
半分は本気。もう半分は、勢い。
「『俺が本気だと思うのなら来て』って…」
Aは不安そうな顔をした。
何を暴かれるのか、心配だから。
でも、手を伸ばそう。
今、傷付けてしまったとしても。
Aの為になるのなら、
…なんて。
「…、待ってるって
今週末、…そんなに急に、」
ポッケにスマホを持った手を突っ込んで、もう片方で頭を撫で、笑って見せた。
何も伝えずに。
すれ違い様、Aは俯いて言った。
「…凛月が欲しい最適解って、何なの…？」
廊下を歩きながら、ひとりため息を吐いた。
そんなの俺でもわかんないよ、なんて。
俺の想いはずっと、右往左往。
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まひる(プロフ) - 雪羅さん» ありがとうございます…！！妄想のままに描いているので賛否両論あると思いますが…(^-^; そういっていただけると嬉しいですー！(*´ω｀)ありがとうございます(*’ｰ’*)ﾉ (2019年10月13日 11時) (
レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - 前からこの作品見続けています！繊細で綺麗な表現とか、儚い世界観とか、謎の多いキャラクターとか、すごく作り込まれていてまるでドラマを見ているようでした！これからも頑張ってください！ (2019年10月13日 9時) (レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - ありまさん» ありがとうございます…！そういったコメント頂けると、嬉しいです(*^-^*) (2019年10月9日 22時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
ありま(プロフ) - この作品の雰囲気がとても好きです。 (2019年10月9日 21時) (レス) id: ef20a5c3d2 (このIDを非表示/違反報告)
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