SUPER☆MAN Kota. Y

31　宏太side ページ31

あ「あっ！？」

俺は前を歩くAが、道路でつまづいて転びそうになっていた。









俺はとっさに、Aの腕をつかむ。

どうにか、転ばずには済んだ。









宏太「…大丈夫ですか？」

あ「…はい、ありがとう、ございます。」









…本当は、大丈夫じゃないでしょ？

心の中、ボロボロなんでしょ？









Aの足が、止まってしまった。









家には、訳の分からない盗聴器。

元恋人は、自分を愛していなかった。









Aの体が、震えている。









俺は、掴んでいたAの腕を離して、

道路の脇に入り、









自分の胸に抱き寄せた。









あ「！」

宏太「…すみません。見てられなくて。」









本来、依頼人に手を出すのはご法度なのだが、

そうせずにはいられなかった。









こんな、人通りの多いところで、

泣き出しそうになっていたから。









…俺の胸で泣けばいい。

そう思った。









Aは安心したかのように、

力が抜け、俺の胸で静かに泣いた。

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