今日:3 hit、昨日:14 hit、合計:31,469 hit
小|中|大
9 ページ9
.
マス「ああ、いらっしゃい」
男「こんにちは」
マス「いつものかい?」
男「はい、お願いします」
どうやら常連らしい男性は私をちらりと一瞥した後、私から2つ席を空けて座った。
黒いキャップと黒いマスクを身につけ、全身も黒で統一した装いをしている彼は、不審者さながらである。失礼だけど。
マスターが準備しているのを眺めながらベーグルにかじりつく……が。隣からものすごく視線を感じるのだ。それはもう、すごく。知らない人から見つめられるだけでも少し怖いが、今回はなんて言ったって不審者ルックをした人だ。
……え、不審者??
少々脳内パニックを起こしながら、恐る恐る視線の主の方向へと目を向けてみると、バチっと目が合ってしまった。
『…えっと……』
男「……あの」
『あっ、はい!』
彼から発せられる心地良い低音。
キャップの下から覗く澄んだ黒い瞳に惹きつけられる。
ああ、この人は黒が似合うな、と瞬間的に感じたのだった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
551人がお気に入り
551人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:胡桃 | 作成日時:2023年3月12日 8時