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不審者ルックをした彼は川村さんと言うらしい。そして何とまこちゃんのチームメイトだと言う。
そういえば昨日まこちゃんの隣に居たような居なかったような…
壱「慎と同い年なんやっけ?」
『そうです…ってあれ?私昨日年齢まで言いました?』
壱「言うてへんよ笑 あの後慎が質問攻めくらってたからそれで」
『……ちなみにどういうところまで聞いて…』
壱「Aちゃんが電柱に勝てると思って蹴りかかった結果、脚骨折したってとこまで」
見た目に反して、彼はとても気さくに話しかけてくれていた。最初は標準語だった話し方も関西弁になり、そしてしれっと私を名前で呼ぶようになった。
…ところであのバカ幼馴染は皆さんに何を暴露してくれてるんだろうか?
『まこちゃんに文句言いたいのに連絡先ない…』
壱「俺もっとるけど、繋ぐ?」
欲しい…今すぐ電話して叫んでやりたい…
けれどせっかく同じ日本にいて、何ならこの辺をぶらぶら歩いていたら会えそうな距離にいるのに本人から貰わないっていうのは、なんか勿体無い気もする。
連絡先がないのは2年前から変わってないけど、昨日ようやっと姿を確認できたことで心理的にも物理的にも距離が近くなった気がするのだ。
直接貰うと彼に伝えると、彼はそっかと優しく微笑んで再び口をひらいた。
壱「ほんなら俺と交換しよ」
『………え?』
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作者名:胡桃 | 作成日時:2023年3月12日 8時